参考書・解説書は何故わかりにくいのか?―参考書の選び方―

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本サイトでもしばしば紹介している数々の「参考書」―。何故、参考書はわかりにくいのだろうか?

参考書が分かりにくいのか、読む側の人間の問題なのか。それとも、相性の問題だろうか?

いずれにせよ、この「参考書わかりづらい問題」は、高校受験・大学受験であろうと、社会人になってからの資格試験取得であろうと、今後ずっと付き合っていかなければならない問題です。

この記事では、
① 参考書が分かりにくい理由(難しく感じる理由)
② 参考書のおすすめ活用方法
③ 参考書の選び方

について、分かりやすくまとめています。

※ちなみに、私はITコンサルとなる前に、大学受験・高校受験の業界に携わっていた経験があるため、その際に得たノウハウも混ざっています。また、実を言うと私自身は塾・予備校に通ったことがない「参考書信者」です。そのことも踏まえながら以下をお読みいただければと思います。

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参考書が分かりにくい理由

参考書が分かりにくく感じてしまう理由は、3つあります。

1.「参考書の曖昧な強弱性」

2.「知識深度の差異」

3.「間違った読み方・利用方法」

身近な具体例を当てはめて説明していきます。難しい言葉でまとめてしまっているかもしれませんが、それぞれ例を交えながら解説していきますので、ご安心ください。

1.「参考書の曖昧な強弱性」

塾や予備校、個人スクールの黒板を思い浮かべてください。内容は、英語でも、数学でも、簿記でもIT資格でもなんでもいいのですが、黒板に書かれてるのは、全体の説明(つまり、授業内容の要約)や、大事なポイントのみですよね。

例えば、英語の授業――。「教科書の本文全て」が黒板に書き写されていることは多分ありません。代わりに書いてあるのは「be動詞+過去分詞」などの文法の要点が書かれているのみです。これ、特筆すべきことなんです。大量な教科書量に対して、覚えることがたった1行で表されていて、この1行の要約さえ理解すれば、他の100行も理解できる―。これが本来あるべき学習なのです。

※もちろん、生徒の理解度に合わせて詳細な内容や豆知識的な内容が説明されることがあることは否定していません。

人対人の授業では

覚える対象の知識に「強烈な強弱性」がついている

のに対して、ほとんどの参考書では重要な箇所には色がついているだけ、文字の大きさが違うだけの視覚的な「強弱性」のみです。感覚的にその「強弱性」を感じることができません。したがって、何が重要で何が重要でないかが分かりません。また、本来は重要でない知識・情報もそこに記載されているがゆえに、頑張って覚えようとしてしまう―。つまり、

どうでもよい情報に苦しみながら、分からないと感じる

ということになってしまうのです。100あるうちの1だけ覚えれば次にすすめるにも関わらず、100という無意識に設定したハードルを乗り越えられないことが参考書が難しく感じてしまう原因なのです。

2.「知識深度の差異」

参考書が分かりにくい2つ目の理由。それは参考書の難易度と、学ぶ側の人間の知識量の差です。

ある特定の知識を習得するためには、必ずその前提となる知識を習得している必要があります。前提条件がないまま、ゴールとなる知識を学習するというのは、「小学3年生に突然関係代名詞を教える」ようなものです。いくら、熱心に学習しても、いくらメモ・ノートをとっても、いくら復習してもその知識は砂上の楼閣にすぎません。1年後には確実に99%忘却します。

本サイトでよく読まれている下記ページでは、「プログラミングの勉強方法」は、最後の1章でしか触れていません。そこまでは、一見SEに関係なさそうなビジネスライティングスキルのつけ方や、ITの基本用語を学ぶための資格取得など、SEとしての「前提知識」に焦点を当てています。

参考書が分かりにくい!と感じる理由として最も一般的なのは、この前提知識の欠落なのです。決して、参考書の書き方が悪いのではありません。読む側である自分の「前提知識」が欠落しているのです。回り道に感じるかもしれませんが、分かりにくいと感じる参考書があれば、1つレベルを落とした参考書を買うのが最善の対処法です。

3.「まちがった読み方・利用方法」

上記で説明した、1.「参考書の曖昧な強弱性」2.「知識深度の差異」を知らないがゆえに、参考書の読み方・利用方法を誤る―。結果として、参考書が分かりにくくなる。どのような場合も間違いなくこの方程式に当てはまります。

では、参考書の選び方はどのようにすれば良いか?ここからは、その解決方法を説明します。

参考書の選び方 2ステップ

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ここでは、私自身予備校に通わずに受験勉強する中で編み出した独自の参考書選択基準を紹介していきます。また、既に塾・予備校業界で実証済みの選び方・読み方なので是非一度お試しください。

ちなみに、ここで解説する参考書の選び方は、実際に手に取って中身を確認できることを前提としています。

1.問題解説と索引を読む

書店で参考書を選ぶ際、あなたはどこのページから確認するでしょうか?7割の人は「冒頭の解説ページ」、2割の人は「解説ページ」、残り1割は「パケ買い」です。

この中で正解なのは「解説ページ」から読む2割の人です。その上で、明確な基準をもって解説ページを読むことが重要です。解説ページから読んだとしても、雰囲気で「分かりやすそう!」と選んでしまってはいけません。以下の2つの基準を意識して参考書を選びましょう。

解説ページの意味が分かるか?

1つ目の基準は単純です。解説ページの単語の意味が分かるか?という基準です。※問題を解けるような解説か?ではなく、あくまでも解説ページの単語が分かるか?です。

解説ページの意味が分かること―。これは、言い換えると「その参考書を読むに値する前提知識を有しているか否か」の判断基準になります。先ほど説明したように「小学3年生が関係代名詞」の参考書を読んでも、(例外あるかもしれませんが・・・)まったく理解できません。be動詞も分からない、主語も動詞もわからないのに、解けるはずはないのです。そして、その小学3年生は解説ページを読んでも、書いてる単語が分かりません

これと、まったく同じことです。解説ページの「単語」の意味が分からなければ、その参考書は自分のレベルより上の参考書です。したがって、自分にとって意味のある参考書にはなりません。

ただし、そのような選び方をしているだけでは「自分に合う参考書が見つからない!」なんてことが起こります。分かる単語が無いから参考書を買うのだ!という人もいますよね?その場合は、その参考書の「索引ページ」を見てみましょう。

索引から飛べるページ先の説明が理解できるか?

索引ページは「あいうえお順」「ABC順」など参考書内の用語一覧の解説元ページがまとめられているページのことです。

まず、この索引ページがない参考書はできるだけ避けるべきです。理由は単純です。もしそのページがない場合、知らない単語を調べる手段がなくなります。更に他の参考書やリファレンスが必要となってしまいます。そのような手間を踏むのであれば、1冊で学習できる参考書を頑張って探すべきです。

索引ページがある場合、その中から任意の単語を選び「リファレンス先の説明」ページに飛んでみてください。そして、そのページの解説を理解できるかどうか―。理解できる場合、自分の知らない前提知識をつけることができる良い参考書に巡り合ったことになるでしょう。

2.重版されているかどうか

重版されているかかどうか―。これは、一見分かりやすい基準ですが、出版の仕組みを知るとかなり重要な選択基準であることが分かります。

重版とはもともとの内容に加筆・修正することを指し、同じ内容で印紙・製本される「増版」とは異なります。

重版」は中身の構成が変わるため、再度製本するまでの手間が発生し、その分のコストがかかります。一方で増版は、同じ内容でコピーするだけなのでコストがかかりません。評価の高い参考書は「増版」⇒「重版」の流れでひろまっていくため、重版の方が、より評価を得ている参考書と言えます。

「世間一般の評価に惑わされたくない!」

と思う人もいるかもしれません。その意見はごもっともです。そのために、私は先ほど紹介した選択基準「解説ページと索引ページ」という基準を設けています。いくら増版・重版されていようと、先ほどの基準を満たさない限り、その参考書は自分のレベルにあっていない―。これが、本記事での結論であることは変わりません。

参考書学習時の注意点

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良い参考書に出会ったとしても、利用方法を間違えれば意味がありません。このページの最初に述べた通り、参考書は非常に「網羅的である」がゆえに「強弱が曖昧」です。この性質を踏まえて参考書を利用する必要があります。

最終的なゴールは「網羅的に知識・スキルを付ける」ことですが、1から100まで順に学習した場合、途中で知識の抜け漏れやゴールの遠さに気付かされモチベーションが著しく低下してしまうでしょう。最後に、参考書の性質を踏まえた利用方法を解説します。

参考書を3行で要約してみる

極論、参考書は重要な1を知れば枝葉の100を理解できるように記載されています。

辞書や図鑑は、ただの網羅的な羅列ですが、参考書は1冊のストーリーを持っています。つまり、その参考書として伝えたいメッセージが存在するのです。大体3行(50文字以内)ぐらいでの要約可能な主題が存在します。

例えば、以下のTOEIC参考書の要約すると「長文問題の答えは、段落の最初と最後の言い換え部分に存在する」です。嘘のように思うかもしれませんが、この1を理解することによって、残りの解説99が分かります。

とはいえ、3行で要約できなくても構いません。3行で要約しようとしながら、読む・学習することが重要です。1つの主題を読み取ろうとすることによって、参考書の中の情報の「強弱が分かるようになる」のです。

結論:参考書はなぜ分かりにくいのか?

参考書という本の性質を理解していない―。自分自身の知識レベルと合っていない―。結論、この2点が理由です。

一度、本ページで説明した方法で自分の参考書を選んでみてくださいね。

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