結論:NFSとは「別のコンピュータのフォルダを、自分のPCのフォルダのように使える」仕組み
NFS(Network File System)とは、ネットワーク越しに他のコンピュータのディスク(フォルダ)を、自分のローカルディスクのように扱えるようにする通信プロトコルです。
一言でいうと、
「遠くにあるフォルダを、手元にあるかのように使える技術」
これがNFSの本質です。

NFSはもともと Sun Microsystems によって開発され、現在ではLinux/Unix系システムを中心に、サーバ環境で広く使われています。
そもそも「ファイル共有」が必要になる理由
まず前提として、現代のシステムでは次のような状況がよくあります。
- サーバが複数台ある
- それらが同じデータを参照する必要がある
- 画像・帳票・ログ・アップロードファイルなどを一元管理したい
例:
- Webサーバが3台ある
- どのサーバからアクセスしても同じ画像フォルダを使いたい
このとき各サーバに同じファイルをコピーして回るのは現実的ではありません。
そこで登場するのが NFS です。
NFSの基本的な仕組み
登場人物はたった2つ
NFSは、とてもシンプルな構成です。
| 役割 | 説明 |
|---|---|
| NFSサーバ | フォルダを「公開」する側 |
| NFSクライアント | そのフォルダを「使う」側 |
サーバ側で共有設定したディレクトリを、クライアント側で mount(マウント)すると、クライアントからは普通のフォルダとして見えるようになります。
構造を簡略化すると、次のようになります。
[NFSクライアント] ─── ネットワーク ─── [NFSサーバ]
|
/mnt/share ← 実体はサーバ側ディスク
ポイントはここです。
- クライアントから見ると
/mnt/shareは普通のフォルダ - しかし実体はNFSサーバ上に存在
アプリケーションは「ローカルファイル」だと思って読み書きしますが、裏ではNFSがネットワーク越しに通信しています。
NFSを使うと何が嬉しいのか?
代表的なメリットは次の3つです。
1. アプリケーションを変更しなくてよい
NFSは「ファイルシステム」として見えるため、
- 特別なAPI
- 専用ライブラリ
が不要です。
既存アプリはそのままで、
/data/file.txt
を読むだけ。
それがたまたまNFSなだけ、という状態になります。
2. 複数サーバで同じデータを共有できる
典型構成:
WebサーバA ─┐ WebサーバB ─┼─ NFSサーバ WebサーバC ─┘
これにより、
- アップロードファイル
- 画像
- 帳票
などを1か所に集約できます。
3. 構成がシンプル
最低限必要なのは:
- NFSサーバ
- NFSクライアント
だけ。
大規模な分散ストレージと比べると、導入・理解・運用のハードルが低いのも特徴です。
ローカルディスクとNFSの違い
感覚的な違いを表にまとめます。
| 項目 | ローカルディスク | NFS |
|---|---|---|
| 実体の場所 | 自分のマシン | 別のマシン |
| 見え方 | フォルダ | フォルダ |
| アクセス方法 | 直接 | ネットワーク経由 |
| 速度 | 速い | ネットワーク依存 |
| 障害時 | 自分だけ影響 | 全クライアント影響 |
見た目は同じ、裏側が違う。
これが最大のポイントです。
超かんたん:NFSの利用イメージ(概念)
サーバ側(共有する)
/share
というフォルダを公開。
クライアント側(使う)
mount サーバ:/share /mnt/share
すると、
/mnt/share
が現れ、普通のフォルダとして操作可能になります。
以降は:
- ls
- cp
- vi
すべて通常通り。
実務で必ず意識すべき注意点
便利なNFSですが、設計時には以下が重要です。
● ネットワーク=性能
ファイルI/Oはすべてネットワーク越し。
大量アクセス時はボトルネックになります。
● NFSサーバは単一障害点になりやすい
NFSサーバが落ちると、
→ 接続している全クライアントが影響を受けます。
冗長化設計が重要になります。
● 同時書き込み
複数マシンから同じファイルを書く場合、
- ロック
- 整合性
を意識しないと事故が起きます。
まとめ
最後に要点を整理します。
- NFSとは「遠隔フォルダをローカルのように使える」プロトコル
- サーバが公開、クライアントがマウントするだけ
- アプリは通常のファイル操作のまま利用可能
- 複数サーバでのデータ共有が簡単
- 一方で、性能・単一障害点・同時更新には注意が必要
