本ページでは、トランザクションコードの登録方法を初心者向けに解説します。
SAPエンジニアを目指す方であれば、知っておきたい基本知識ばかりですので、是非最後までご覧ください。
早速解説を始めます。
前提:トランザクションコードとは?
トランザクションコードとは、SAPの機能を呼び出すことができる文字列のこと。
以下の赤枠内で囲われたコマンド項目に特定の文字列を入力することで、使いたい機能を一発で画面に呼び出せるようになります。
例えば、会計伝票参照機能を呼び出したい場合は「FB03」をコマンド項目に入力してEnterボタンを押すだけ。
トランザクションコードを利用することで、様々な機能を一発で呼び出すことができるようになります。
(今利用している機能に紐づくトランザクションコードは、画面右下に表示させることができます。)
トランザクションコードは、SAPの中で使えるショートカットキーのようなものであると覚えておきましょう。SAPになれた上級者も、まだSAPを使い始めたばかりの方にとっても理解必須の基本知識です。
トランザクションコードについてさらに分かりやすい解説がほしい方は以下の記事をご覧ください。
画面へのトランザクションコードの追加方法など、合わせて詳しく解説しています。
トランザクションコードの登録方法
SAP標準の機能はあらかじめトランザクションコードが登録されていますが、アドオンで開発された機能やページ後半で説明するトランザクションバリアントについては、1から自分で登録しなければばりません。
この章では、トランザクションコードの登録方法を1から順に分かりやすく解説していきます。
SE93:トランザクション登録
トランザクションコードSE93を実行し、第1画面に登録したいトランザクションコードを入力します。
既存のトランザクションコードでなければ、どのような文字列でも登録可能です。もし、実際にSAPを利用するユーザに開放するトランザクションコードであればできるだけ分かりやすい文字列で登録すると良いでしょう。
続いてトランザクション属性を指定します。
"内容説明" の項目には、そのトランザクションコードで呼び出す機能が分かりやすいように適切な内容を登録します。
"開始オブジェクト" の欄では、そのトランザクションコードで呼び出す機能の分類を指定します。実行可能プログラムに割り当てる場合は、レポートトランザクションを指定します。(これが一番利用頻度が高いです。)
次の画面で、トランザクションコードが保持する詳細情報を登録していきます。
トランザクションコードと紐づけたいアドオンプログラムを指定します。
本来、プログラムを作成しただけでは、SE38などの開発用画面からでないとプログラムを実行できませんが、ここでトランザクションコードと紐づけを行うことで、ユーザがトランザクションコードを実行することで当該プログラムを利用することが可能になります。
Dynpro番号を指定します。Dynpro番号というのは、選択画面を管理するIDのようなもの。
選択画面と一言にいっても、メインの選択画面だけではなく、ポップアップで表示される選択画面や、第2選択画面など、複数の画面を持つ場合があります。SAPでは、それら複数の画面をDynpro番号を用いて管理します。
実行可能プログラムの場合は、あらかじめDynpro番号:1000の選択画面が用意されているので、基本はこの項目は"1000" を指定しておきます。
「バリアントによる開始」には指定したプログラムに紐づくいずれかのバリアントを入力します。
ここにバリアントを入力してくと、そのバリアントが呼び出された状態でプログラムが実行されます。ただし、これはあくまでも開始時に呼び出されるだけであって、ユーザ操作で別のバリアントを呼び出すことも可能です。
バリアントについて詳しく知りたい方は以下の記事を合わせてご覧ください。
特定の権限オブジェクトをトランザクションコードに紐づけることができます。
権限オブジェクトについては、以下の記事で詳しく解説しておりますので合わせてご覧ください。
これで新たにトランザクションコードが作成されました。最も基本となる知識はこれで以上です。
ここから、より実践的な知識「バリアントトランザクション」について解説します。
バリアントトランザクションとは?
バリアントトランザクションとは、その名の通りバリアント付きのトランザクションコードのこと。
具体的には、そのトランザクションコードを実行する際に、指定したバリアントが設定された状態となります。
(レポートトランザクションで指定できるバリアントは、あくまでも開始時のバリアントを選択するだけである点に注意しましょう。)
バリアントトランザクションを適切に設定しておくことで、同じ機能に対して異なる使い方をさせることができます。
つまり、1つのデータ参照系機能に対して異なるバリアントトランザクションを設定しておけば、1つは全データを参照する、もう一方は特定のデータを参照する、などのように権限に応じた実行条件を紐づけることができるのです。
バリアントトランザクションは、略して「トラバリ」と呼ばれることもあり、多くの企業で権限制御を目的とした利用が数多く存在します。
是非この機会に合わせて覚えておきましょう。
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