SAPを初めて触る人にとって、最初に戸惑うのが「トランザクションコード」という単語。このページでは、トランザクションコードとは何か?どのように使うのか?をSAP初心者向けに分かりやすく解説します。
SAPの世界では、「トランザクションコード」というものが何なのかをしらないとかなり苦戦します。
SAPを使い始めた方や、SAPエンジニアを目指す方であれば絶対に知っておきたい超基本知識ですので、是非最後までご覧ください。
トランザクションコードとは?
トランザクションコードとは、SAPの処理画面(プログラム)を呼び出す文字列や数列です。
語弊を恐れずに言えばショートカットキーと同じようなイメージです。
例えば、会計伝票の登録を行いたい場合、SAP Easy Access画面(SAPの第1画面)から1つ1つメニューを開いて、対象の「会計伝票登録機能」にたどり着かないとその機能を実行することはできません。このメニューの中には、場合によっては数百件以上の機能が含まれているため、特定の機能を一発で見つけることは非常に困難であると言えます。
そんな時に便利なのがトランザクションコードです。
例えば、会計伝票登録であれば「FB03」というトランザクションコードを、コマンド項目(後述します)に入力し、Enterボタンを押すだけで会計伝票登録画面を開くことができます。
トランザクションコードの利用方法
トランザクションコードの実際の使い方を解説していきます。
特別な用語や、慣れない画面での操作が大変かもしれませんが、画像付きで初心者でも分かるように解説していきます。
前提:トランザクションコードを調べる方法
トランザクションコードを利用する前に、まず自分が実行したい機能のトランザクションコードは何なのか?を知っておく必要があります。
1番早いのが、トランザクションコードをまとめているWebページで検索すること。各機能へのトランザクションコードをまとめたページはたくさんあります。先ほど例に挙げた「会計伝票登録」などのSAP標準機能であれば、簡単に調べることも可能です。
ただし、SAP社が公式にトランザクションコードをまとめたページはWeb上に更改されてはおりません。そのため、たまに誤りがある場合も存在します。
また、アドオン機能(SAPの標準機能ではない機能のこと)に紐づくトランザクションコードの場合は、もちろんその会社内でしか知る人がいないため、Web上に記載されているわけではない点に注意しましょう。
「今自分が使っている機能のトランザクションコード」は、SAPのGUI上から確認することが可能。
画面右下の赤枠内に表示されています。これが、今使っている機能を呼び出すトランザクションコードです。
※ここにはトランザクションコード以外にも「プログラム名称」や「ユーザID」「クライアント」が表示されている場合があります。その場合は、▽を押して「トランザクション」を選択してください。
トランザクションコードの入力
下記画面の赤枠内(コマンド項目と呼ばれます。)にトランザクションコードを入力して、ENTERボタン押下で利用可能です。
たったこれだけで、自分が実行したい機能を一発で開くことができます。非常に簡単ですね。
ちなみに、「Ctrl+/」を同時に押すとカーソルが自動的にコマンド項目に移動するので、トランザクションコードをよく利用する人は覚えておくと便利です。
トランザクションコードの文字列の前に「/n」を入力する場合の動きや、トランザクションコードを利用する場合に合わせて知っておきたい裏技・Tips集をまとめています。
是非合わせてご覧ください。
ユーザ定義項目へのショートカット追加
実は、トランザクションコード以外でも、よく使う機能を素早く呼び出すことができます。それが、ユーザ定義項目へのショートカット追加です。
上記画面の、赤枠内「ユーザ定義」という箇所によく使う画面へのリンクを追加(ブラウザの「ブックマーク機能」のようなものです)すれば、よく利用する機能を画面上に登録することができます。
ユーザ定義の登録
「ユーザ定義」にカーソルを合わせ、その場で右クリック。
選択肢が表示されるので、「トランザクション挿入」をクリックします。
すると以下のようなポップアップ画面が表示されます。
ポップアップ画面内の入力項目によく使うトランザクションコードを打ち込んでそのままEnterボタン。
上記のように、ユーザ定義の中に伝票照会画面へのショートカットが作成されました。
これで、次回以降はトランザクションコードの打ち込みなしで目的の画面へ遷移することができます。覚えにくいトランザクションコードなどを、登録しておくと便利ですね。
開発者向け:トランザクションコードの登録方法
トランザクションコード:SE93から、新規にトランザクションコードを登録することができます。
これは、アドオン機能を実際のSAPユーザに開放する際に必須となる場合が多い作業の1つ。トランザクションコードの利用を応用した、トランザクションバリアントなどの応用知識も合わせて解説しておりますので、是非以下の記事をご覧ください。
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