SAPのトランザクションコードを全て暗記している人はこの世の中に(恐らく)一人も存在しないでしょう。しかしながら、SAP開発者であれば知っていないと恥ずかしいトランザクションコードもいくつか存在します。
ここでは、SAPの開発に携わる人であれば知っていないと恥ずかしいトランザクションコードを8個整理して解説しています。それぞれの遷移先の画面で何ができるのか?という点についても簡易的にまとめています。
トランザクションコード「SE38」「SE16」を知らない、と言ってしまうと現場がざわつくレベルになってしまうので、このページでしっかり学習しておきましょう。
※初心者の方は・・・「トランザクションコード」とは?のページも是非ご覧ください。
早速、「これだけは覚えておきたい8つのトランザクションコードと機能」を解説していきます。
SE10:移送オーガナイザ
移送を管理する画面です。修正したプログラムやカスタマイズをリリースする際に利用する画面です。
本画面は、Basis領域のトランザクションコードと思われがちですが、プログラムのリリースやカスタマイズのリリースは開発者自ら実施する場合がほとんどであるため、本画面のトランザクションコード・操作内容は把握しておく必要があります。
SE11:ABAPディクショナリ
SAPに存在するデータ構造や、テーブル。その他ビューの設定やありとあらゆるディクショナリを本画面から登録・修正・照会を行います。
本画面についてはこちらのページで詳しく解説しております。
SE16:データブラウザ
この画面では、テーブルデータの登録・変更、または参照を行うことができます。
テスト実施時など、テーブルにどのようなデータが入っているのかを確認したり、必要に応じてデータを変更することが可能です。
※この画面から参照するテーブルデータは、Oracleなどのデータベースの構造ではなく、データベースインターフェースでSAP用に翻訳されたテーブルデータ構造です。データベースインターフェースについて気になった方はこちらをご覧ください。
SE30:SQL実行時間分析
SQLの実行時間の分析を行う際に利用します。「アドバイス」を実行することにより、コーディングの違いによる実行時間の差異の変化をチェックすることができます。
SQLを利用するコーディングを行う際に知っていると便利なトランザクションコードです。
SE37:汎用モジュールビルダ
汎用モジュールを作成するときに利用するトランザクションコードです。
汎用モジュールの作成方法については下記のページで詳しく解説しておりますので、是非ご一読ください。題名はふざけていますが、中身はしっかりしています。
SE38:ABAPエディタ

ABAPの実行可能プログラムのコーディングができる画面です。SE38からは、プログラムのコピーやプログラムの実行を行うことが可能です。
プログラムを単体で実行したい場合や、デバッグを
ただし、コーディングを目的とした利用では、SE38よりも別途解説するSE80の画面の方が利用頻度は高いです。(※あくまでも個人的な感想です。)
※実行可能プログラムの詳細については、以下のページで網羅的に解説しています。
SE51:スクリーンペインタ
Dynproの登録や編集を行います。もちろん、照会することも可能です。
SE80:オブジェクトブラウザー(開発ワークベンチ)
本画面からは、プログラム作成に関する全作業を行うことができます。ABAPのコーディングに関することであれば、どの作業でも基本的にこの画面を基に遷移することが可能です。
- SE38 ⇒ 実行可能プログラムの実装 & 実行
- SE80 ⇒ すべてのプログラムの実装
SE38とSE80は、上記のような使い分けが一般的となります。さらにSE80では、プログラムの部品(サブルーチンや汎用モジュール、項目、Includeなど)を一覧表示できるため汎用性が高いです。
ただし、SE38と比べるとその分複雑な画面となってしまうため、ABAPが初心者のうちはSE38から使い慣れていったほうがよいでしょう。