DBMS(データベース管理システム:Database Management System)とはコンピュータ上でデータの作成、整理、更新、取得、管理などを効率的かつ安全に行うためのソフトウェアシステムです。
ざっくりわかりやすく一言で解説すると "データベースを管理するためのソフトウェア " がDBMSです。
データベースを利用するアプリケーションやユーザーは、DBMSを介してデータベースにアクセスし、データ操作を行います。
このページではDBMSとは何か?DBMSの主な役割、DBMSの選び方(主要なDBMS製品)を1からわかりやすく網羅的に解説します。
このページで学べる内容
DBMSとは?
DBMSの役割/選び方
主要なDBMS製品
システムエンジニア(特にデータベースエンジニア)を目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識の1つ です。是非最後までご覧ください。
DBMSとは?
DBMS(データベース管理システム:Database Management System)とはコンピュータ上でデータの作成、整理、更新、取得、管理などを効率的かつ安全に行うためのソフトウェアシステムです。
OracleDBとかMySQLとかがDBMSの具体例。読み方 はそのまま "ディービーエムエス" でOK。
データベースを管理するためのソフトウェアがDBMSであると理解しておきましょう。
DBMSが存在しない場合、データベースがあっても、そこにレコードを登録することはできないですし、中にあるレコードを取り出すこともできません。
DBMSの具体例な役割を見ていきながら、DBMSとは何か?のイメージを深めていきましょう。
参考 データベースとは?
DBMSの機能/役割
DBMSは、以下の機能や特徴を持っています。
1つ1つの役割を細部まで暗記する必要はありません。なんとなく、DBMSが何者なのか?をイメージできればOKです。
DBMSの主な機能と役割
データの格納と管理 データベースは、構造化されたデータを格納するための場所であり、DBMSはそのデータの管理を担当 します。データは通常テーブルと呼ばれる構造に格納され、行と列で構成されます。これにより、データの整理と検索が容易になります。
データの操作 DBMSは、データの追加、更新、削除、検索などの操作をサポートしています。これらの操作は、特定のデータベース言語(例:SQL )を使用して行われます。
データの整合性維持/制約の維持 DBMSは、データの整合性と制約を維持する機能を提供します。これにより、データベース内の情報が正確で一貫性が保たれます。制約は、データの型、一意性、参照整合性など、データが満たすべき条件を定義します。
トランザクション管理 DBMSは、トランザクション管理を行うことで、データベースの一貫性と整合性を維持します。トランザクションとは、一連のデータ操作のまとまりで、すべての操作が成功するか、すべてが失敗するかのどちらかとなります。これにより、障害やエラーが発生した場合でも、データベースの状態が正確に保たれます。
セキュリティ DBMSは、データベースへのアクセスを制御し、セキュリティを確保します。これにより、不正なアクセスやデータ漏洩のリスクが軽減されます。アクセス制御は、ユーザーやロールに基づいて権限を付与することで実現されます。
バックアップとリカバリ DBMSは、データベースのバックアップとリカバリ機能を提供しています。これにより、データベースが障害やデータ損失に遭遇した場合でも、データを回復することができます。バックアップは、定期的にデータベースのコピーを作成し、安全な場所に保管することで実現されます。リカバリは、バックアップからデータを復元するプロセスです。
同時実行制御 DBMSは、複数のユーザーが同時にデータベースにアクセスできるように、同時実行制御機能を提供します。これにより、データベースへの同時アクセスが発生しても、データの整合性が保たれます。同時実行制御は、ロックやトランザクション分離レベルなどの仕組みを使って実現されます。
パフォーマンス最適化 DBMSは、データベースのパフォーマンスを最適化する機能を提供します。これにより、データ操作や検索の速度が向上し、アプリケーションのレスポンスタイムが短縮されます。パフォーマンス最適化は、インデックス 、キャッシュ、クエリ最適化などの技術を使用して実現されます。
参考 ACID特性 /トランザクション
イメージとしては、物理的なデータベースという箱に対して、レコードの登録・テーブルの作成やバックアップなどの操作を行うことができるお便利ツールというのがDBMS です。
そこから転じて「データベースそのもの」を指してDBMSと呼ばれるシーンもちらほらあるので頭に入れておきましょう。
代表的なDBMS
以下に代表的なDBMS製品と、主な特徴を整理しました。
これらのDBMS製品はそれぞれ異なる特長を持っており、使用するアプリケーションやビジネス要件によって選択が異なります。
適切なDBMSを選択することで、データの管理が効率化され、アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティが向上します。
RDBMS vs NoSQL
DBMSはその特徴から主に以下2つのカテゴリに分類されます。
RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム) リレーショナルデータベースはデータをテーブル形式で格納し、テーブル間の関係を使用してデータを操作することができます。 RDBMSは、SQL(Structured Query Language)という標準的な言語を使用してデータを操作します。代表的なRDBMSには、MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなどがあります。 NoSQL(Not Only SQL)データベース管理システム NoSQLデータベースは、リレーショナルデータベースとは異なるデータモデルを採用しており、非構造化データや大量のデータを効率的に扱うことができます。 NoSQLデータベースには、キー・バリュー型、ドキュメント型、カラムファミリ型、グラフ型など、さまざまな種類があります。代表的なNoSQLデータベースには、Redis、MongoDB、Cassandra、Neo4jなどがあります。 DBMSの選び方
DBMSは、データ管理の基盤となる重要なシステムであり、現代のビジネスやアプリケーションにおいて欠かせない要素です。
適切なDBMSを選択し、適切な方法でデータを管理することで、データの可用性、安全性、およびパフォーマンスが向上し、アプリケーションの品質が向上します。DBMS選択の際には、以下の要素を考慮することが重要です。
DBMSの選び方
データモデル データベースのデータモデルは、データがどのように格納されるかを決定します。 リレーショナルデータベース(RDB)では、テーブル形式でデータが格納されますが、NoSQLデータベースでは、データモデルが異なります。データモデルが適切であるかどうかは、データの種類、アプリケーションの要件、およびパフォーマンス要件によって異なります。
スケーラビリティ データベースのサイズやアクセス量が増加することを考慮して、DBMSがスケーラブルであるかどうかを評価することが重要です。 スケーラビリティは、ハードウェアやネットワークリソースの追加により、データベースのパフォーマンスが向上する能力です。スケーラビリティは、垂直スケーリング(ハードウェアのアップグレード)と水平スケーリング(追加のノードをデータベースクラスタに追加)の両方をサポートすることが望ましいです。
パフォーマンス データベースのパフォーマンスは、アプリケーションのレスポンスタイムやユーザーエクスペリエンスに大きな影響を与えます。パフォーマンス要件は、データの量、トランザクション数、データ操作の複雑さなどによって異なります。 DBMSは、インデックス、キャッシュ、クエリ最適化などの技術を使用して、パフォーマンスを向上させることができます。
セキュリティ データの機密性やプライバシーを確保するために、機能が重要です。セキュリティは、認証、認可、アクセス制御、暗号化などの仕組みを通じて実現されます。 認証は、ユーザーがデータベースにアクセスする際に、正当なユーザーであることを確認するプロセスです。 認可は、ユーザーに対して特定の権限を付与することで、データベースへのアクセスを制限します。アクセス制御は、データへのアクセスをユーザーやロールに基づいて制御する機能です。暗号化は、データが不正なアクセスや盗難に対して保護されることを保証する技術です。データベースのセキュリティ要件は、ビジネスの規模やデータの機密性によって異なります。
コスト DBMSの選択には、ライセンス費用、ハードウェアコスト、運用コスト、メンテナンスコストなどが関係します。 コストは、オープンソースのDBMS(無料)と商用のDBMS(有料)の選択や、オンプレミス(自社でデータベースを運用する)とクラウド(クラウドサービス上でデータベースを運用する)の選択によっても影響されます。コスト要件は、ビジネスの規模や予算によって異なります。
サポートとコミュニティ DBMSには、公式のサポートや開発者コミュニティが存在します。サポートは、技術的な問題やバグの解決、アップデート、パッチの提供などを含みます。開発者コミュニティは、フォーラムやメーリングリスト、ウェブサイトなどで情報交換や質問ができる場です。サポートとコミュニティの活発さは、DBMS選択の際に考慮すべき要素です。
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