リピータはOSI参照モデルの第1層:物理層でネットワークを接続する通信機器です。分かりやすく説明すると、電源の延長コードのような働きをする機器とも言えます。
このページでは、基本情報技術者試験やネットワークスペシャリスト試験などの各種資格試験取得を目指している方向けにリピータとリピータハブの概要を1分で簡潔に解説します。
リピータは現在あまり利用されない通信機器なのですが、各種資格試験でけっこう頻繁に出題され内容です。しっかり押さえておきましょう!
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知っておいて損はない基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。
リピータとは?
リピータ(repeater)とは電気信号を中継するために利用される通信機器です。
OSI参照モデルの第1層:物理層で規定される各種ケーブルでは最大伝送距離が定められています。
例えばその長さが500mの場合、それ以上の長さを超えて電気信号を送ろうとすると途中でノイズが入ったり電流が弱くなってしまいます。
電流が弱くなると、データが正しく転送されなくなり、コンピュータ間で正しい通信が行われなくなってしまいます。
そこで登場するのがリピータです。リピータは弱まった電気信号を元に戻す役割を果たします。
電源の延長コードと同じだと考えてOKです。コンセントが遠いような場合に、延長コードをつなげて電気を届けるのと同じようなものです。
ポイントとなる点は、リピータが行うのはあくまでも電気信号の増幅だけであるという点です。
流れてくるデータのIPアドレスやMACアドレスなどネットワーク上のアドレスを解釈したりすることはなく、ただ単に「電流の増幅」や「電流の整形」を行うという点がポイントです。
リピータハブとは?
リピータハブ(マルチポートハブ)とは、複数のコンピュータに接続できるようにしたリピータです。
延長コードが進化して、タコ足配線ができるコードに進化したのと同じです。
リピータハブも IPアドレスやMACアドレスなどネットワーク上のアドレスを解釈したりすることはなく、ただ単に「電流の増幅」や「電流の整形」を行うという点がポイント。
リピータハブが繋がっているコンピュータすべてにデータが流れてくるという点を理解できればOKです。
- リピータ:
- リピータは、ネットワーク上でデータ信号が衰弱するのを防ぐための通信機器。
- 信号が一定の距離を超えると、物理的な理由(ケーブルの抵抗やノイズなど)で衰弱する。リピータは、この衰弱した信号を再生(強化)し、さらに長い距離に伝播させる役割を果たす。(延長コードのようなもの)
- イーサネットネットワークの初期のバージョンで、特に同軸ケーブルを使用する場合に、リピータが一般的に使用されました。
- リピータハブ:
- リピータハブは、基本的に複数のポートを持つリピータと考えればOK。
- 各ポートに接続されたデバイスからの信号を受信し、それを他の全てのポートに送信する。
- リピータハブは、ネットワーク上のすべてのデバイスが同じ衝突ドメイン内にあるため、データの衝突が発生する可能性がある。これは、スイッチングハブやスイッチとは対照的です。
- 現代のネットワーク設計では、スイッチが主流となっている。そのため、リピータやリピータハブの使用は少なくなっています。
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