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ブリッジ/スイッチとは?2つの違いを今度こそ整理する

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ブリッジとスイッチ(レイヤ2スイッチ / スイッチングハブ)といったネットワーク機器の違いについて初心者向けに分かりやすく解説します。

基本情報技術者試験やネットワークスペシャリスト試験などでよく出題されるものの、毎回よく分からないまま終わっているのがこの疑問ではないでしょうか。

今度こそしっかり整理して理解したい!という方のために、ブリッジとスイッチについて1から分かりやすく解説します。

専門的な用語や細かな留意点を解説すると逆に理解しづらくなるため「できるだけ単純化」してご説明します。

このページで学べる内容
  • ブリッジとは?
  • スイッチとは?
  • ブリッジとスイッチの違い
  • レイヤ2スイッチ/L2スイッチ/スイッチングの整理

資格取得に向けて勉強中の方やネットワークエンジニアを目指す方であれば常識として押さえておきたい基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。

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ブリッジとは?

ブリッジとはOSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するネットワーク機器。流れてきたデータの宛先MACアドレスを参照し、適切な機器へデータを転送する役割を担います。

MACアドレス

MACアドレス (Media Access Control address) とは、ネットワークにつながるすべての機器に割り当てられている識別子のことで、ざっくり言うとスマホやパソコンについているお名前のようなものです。

図1:MACアドレス

ブリッジ・スイッチを理解するためには、MACアドレスに関する基礎理解が必須です。

MACアドレスについて1から学習したい方は以下の記事をご覧ください。

例えば、コンピュータAからコンピュータCにデータ(=フレーム)を送る場合を考えてみます。

スイッチ ブリッジ 違い
図2:ブリッジの役割(1)

この「A」とか「C」はMACアドレスを表しているものと思ってください。

ブリッジは、流れてくるデータ(=フレーム)のヘッダ情報を見てそのデータをどこに流せば良いか?を判断する機器です。

したがって、ブリッジはコンピュータCのいる側へデータを流します。

スイッチ ブリッジ 違い
図3::ブリッジの役割(2)

もちろん、コンピュータDもコンピュータCと同じドメインに存在するのでデータ自体は流れてくるのですが、宛先MACアドレスが自分のものではないと分かるので破棄します。

このようにデータ(=フレーム)のヘッダ情報を参照し、流すデータを最小限に限定するのがブリッジの主な役割の1つです。

リピータ/リピータハブ

OSI参照モデルの第1層:物理層で動作するネットワーク機器にリピータ/リピータハブがあります。もし、ブリッジの代わりにリピータハブを用いたらデータはどのように流れていくでしょうか?

答えは以下のようになります。

スイッチ ブリッジ 違い

リピータハブは電気信号を増幅させる延長コード(タコ足配線)のようなものなので、受け取ったデータの中身は見ずにそのまま全てのポートにデータを流します。

再掲になりますが、ブリッジを使うと以下のような伝送になります。

スイッチ ブリッジ 違い
再掲::ブリッジの役割(2)

このように考えると、リピータとブリッジの違いがよく分かるかと思います。

リピータ/リピータハブについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ブリッジの説明は以上です。

実はブリッジは決して難しいものではありません。

この章のまとめ
  • ブリッジはOSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するネットワーク機器。
  • 流れてきたデータの宛先MACアドレスを参照し、適切な機器へデータを転送する役割を担う。
  • 無駄なデータ転送を抑制するので、通信効率を向上させる効果がある。

スイッチとは?

スイッチも同じくOSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するネットワーク機器です。そして、役割・動作はブリッジと全く同じと考えてOKです。

そのうえで、ブリッジとスイッチの大きな違いは、スイッチの方が多くのポートを持っているという点です。

これは、たくさんのポートを持つリピータがリピータハブとされるのと同様の考え方です。

もちろん、その他にも処理速度の速さやデータ転送の処理方式が異なるなど細かな相違点はあるのですが(※次章で詳細解説)基本的にはブリッジとスイッチは同じ働きをするネットワーク機器で、たくさんのポートを持っているブリッジがスイッチと呼ばれるんだなと理解してOKです。

スイッチがOSI参照モデルの第2層で動作することから、L2スイッチ / レイヤ2スイッチ とも呼ばれます。また、スイッチがハブの機能も兼ね備えていることが多いので、その意味でスイッチングハブとも呼ばれます。

各資格試験で出題がなされた場合は、これらはほとんどの場合同一のものとして考えてOKです。

ブリッジとスイッチの違い

ブリッジとスイッチの細かな違いをちょっとだけ詳しく解説します。大きく分けると上記で解説したポート数に加えて、処理速度ポートの規格が異なります。

ブリッジとスイッチの違い
  • ポート数(多 vs 少)
  • 処理速度(ソフトウェア処理 vs ハードウェア処理
  • ポートの規格(MDI vs MDI-X)

ブリッジとスイッチの違い:ポート数

ブリッジが2~16ポートしか保持しない(基本は2ポートのものが多い)のに対して、スイッチは約100~1000ポート存在します。

まず、これが大きな違いの1点目。

とはいえ、基本的な役割(流れてきたデータの宛先MACアドレスを参照し、適切な機器へデータを転送する役割を担う。)はどちらも同一です。その点はしっかり押さえておきましょう。

ブリッジとスイッチの違い:処理速度

ブリッジがソフトウェア主体でデータ転送等の処理を行うのに対して、スイッチはASIC(Application Specific Integrated Circuit)というハードウェア主体で処理を行うという点が異なります。

ソフトウェア主体で処理を行う場合と比較して、ハードウェア主体で処理を行う場合の方が処理速度が圧倒的に向上します。したがって、スイッチの方が処理速度が速いです。

ブリッジとスイッチの違い:ポートの規格

ブリッジがMDI(Medium Dependent Interface)ポートを使用するのに対して、スイッチはMDI-X(Medium Dependent Interface Crossover)ポートを使用するという点で異なります。

整理 ブリッジとスイッチの違い

  1. 定義:
    • ブリッジ: ネットワークデバイスで、同じネットワーク内のセグメント間のトラフィックを転送する。ブリッジは、MACアドレスを基にデータフレームを転送するかどうかを決定。
    • スイッチ: ブリッジより進化したネットワークデバイスで、デバイス間のコミュニケーションを可能にする。スイッチもMACアドレスを基に動作しますが、各ポートに接続されているデバイスのMACアドレスを学習し、効率的にトラフィックを転送する。
  2. 動作レイヤ:
    • ブリッジ: 主にデータリンク層(Layer 2)で動作。
    • スイッチ: 主にデータリンク層(Layer 2)で動作するが、マルチレイヤスイッチのようにネットワーク層(Layer 3)で動作するものも存在する。
  3. 学習能力:
    • ブリッジ: 基本的には少数のMACアドレスのみしか保持できない。
    • スイッチ: 多数のMACアドレスを学習し、スイッチングテーブルに保存することが可能。
  4. スケーラビリティ:
    • ブリッジ: スケーラビリティに制限がある。
    • スイッチ: 大規模なネットワーク環境での利用に適しており、多くのポートを持つものもある。

簡潔に言うと、ブリッジはより古い技術で、ネットワークのセグメント化に使用されるのに対し、スイッチはより高度でスケーラブルなデバイスで、大規模なモダンなネットワークでの使用に適しているということです。

このページのまとめ
  • ブリッジとスイッチはどちらもOSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するネットワーク機器。
  • 流れてきたデータの宛先MACアドレスを参照し、適切な機器へデータを転送する役割を担うという意味で両者は同一。
  • 無駄なデータ転送を抑制するので、通信効率を向上させる効果がある。
  • ブリッジとスイッチの主な違いは以下の3つ。
    • ポート数(多 vs 少)
    • 処理速度(ソフトウェア処理 vs ハードウェア処理
    • ポートの規格(MDI vs MDI-X)

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