ASとはAutonomous Systemの略で、日本語では「自律システム」とも呼ばれるネットワークの単位/縄張りを表す概念です。
このページでは、AS (Autonomous System) って何?AS (Autonomous System) はどんな単位で構築されるの?なぜASが必要になるの?という素朴な疑問をお持ちの方向けににわかりやすく1分で解説します。
ネットワークの基礎知識がない・・・!という初心者の方でも理解できるよう必要となる知識を網羅的に解説します。
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知っておきたい基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。
ネットワークスペシャリスト試験などの各種資格試験でも出題される内容です。しっかりと理解し頭に入れておきましょう!
AS (Autonomous System) とは?
AS (Autonomous System) とは、インターネットを構成する1つのネットワークの単位です。独立した1つのネットワークを指す用語で、単に「自律システム」とも呼ばれます。
AS (Autonomous System) は、各組織が管理するネットワークの単位であり、インターネットはこのAS (Autonomous System) の集合体で構成されているとも言えます。
1つ1つが独立したネットワークを構成しており、1つの縄張り/塊を構成していると考えればOK。
この世界中のAS (Autonomous System) が約5万個ほど集まってインターネットが成立しています。
インターネットは「ネットワークのネットワークである」とも説明することができますが、まさにAS (Autonomous System) という複数のネットワークがお互いに接続して構成されているのです。
ASとASを接続するポイントをIX (インターネットエクスチェンジ) と呼びます。合わせて頭に入れておきましょう!
AS (Autonomous System) の単位
AS (Autonomous System) は独立した1つのネットワークであると説明されますが、そもそもこのAS (Autonomous System) は一体何を基準にしているのでしょうか?
AS (Autonomous System) の単位は何を以て決定されるのでしょうか?
その答えが、ルーティングです。ASを正確に説明すると、統一された1つのルーティングポリシーによって運営されるネットワークと言い換えることができます。
このルーティング(経路制御)の仕組みは様々な種類や思想が存在します。このルーティング処理が統一された方法で運営されているネットワークの塊がAS (Autonomous System) です。
ASは現実世界における「国」のような存在とも言えます。日本には日本の法律が通用しますが、アメリカはアメリカの法律で運営されています。
これと同じように決まったルーティングポリシーで統一・管理されている1つのネットワークがASです。
AS番号とは
AS (Autonomous System) には1つ1つを識別可能とするために、AS番号という番号が割り振られています。
AS番号はIANA (Internet Assigned Numbers Authority / インターネット番号割当機関)が管理しており、 個人が自由にAS番号を利用することはできません。
IGPとEGP:2つのルーティングプロトコル
ルーティングプロトコルは、このASという概念を基本として大きく以下の2つに分類することができます。
①AS内部のルーティング処理を行うIGP (Interior Gateway Protocol) と、②AS間のルーティング処理を行うEGP (Exterior Gateway Protocol)の2つです。
逆に言うと、IGPで制御される範囲をAS (Autonomous System)と呼ぶ、とも説明できます。
ネットワーク同士を接続しその際のデータ転送を行う仕組みと、ネットワーク内部でのデータ転送に関するルーティング方式は明確に異なります。
この2つのプロトコルの使うシーンを切り分けるのがAS (Autonomous System)です。
正確に解説すると、 AS内部でもEGPが利用される場合もあるため上記の説明には誤りがある場合もあります。ただし、初心者のうちは上記の定義で覚えておくと今後の理解が進みやすくなるでしょう。
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