BGP (BGP-4) とはBorder Gateway Protocolの略で、AS (自律システム) 間で経路情報を交換する手段を定めたルーティングプロトコルの1つです。
このページではCCNAやネットワークスペシャリスト受験等で頻出のBGPについて初心者向けにわかりやすく図解付きで解説します。
AS (自律システム) やIGP/EGPの違いがよく分からない・・・。ルーティングプロトコルって何?という方でもしっかり理解できるように1からご説明します!
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・重要知識です。是非最後までご覧ください。
BGPとは?初心者向けにわかりやすく
BGPとはルーティングプロトコルの1つ。AS間の経路情報を交換するために利用されるプロトコルです。
まずは簡単に以下の3点について解説します。このポイントを押さえられればBGPの基本知識はOKと言っても過言ではありません。1つ1つ丁寧に覚えておきましょう!
前提知識①:ルーティングプロトコルとは?
BGPはルーティングプロトコルです。
ルーティングプロトコルとは、その名の通りルーティングを行う上で必要となるルーティングテーブル(=経路制御表)をルーター同士が交換するために用いられるプロトコルです。
ルーティングを行うためには、ルーターに経路情報(ルーティングテーブル)を設定する必要があります。
設定自体は手動でも行うことができるのですが、日々構成が変わるネットワークの経路情報をすべて手動で行うには無理があります。そこで自動的に設定を行える仕組みが必要となります。そこで用いられるのがルーティングプロトコルです。
前提知識②③:IGP vs EGP
ルーティングプロトコルは大きく以下の2つに分類することができます。
BGPはEGPに分類されるプロトコルです。では、このASとは一体何か?
AS (Autonomous System) とは、インターネットを構成する1つのネットワークの単位です。独立した1つのネットワークを指す用語で、単に「自律システム」とも呼ばれます。
ASは現実世界における「国」のような存在とも言えます。日本には日本の法律が通用しますが、アメリカはアメリカの法律で運営されています。
これと同じように決まったルーティングポリシーで統一・管理されている1つのネットワークがASであると理解できればOKです。
このAS同士で経路情報を交換するのがEGP (Exterior Gateway Protocol) です。このEGPに分類されるルーティングプロトコルの1つがBGPです。
BGPの特徴
具体的にBGPではどのような仕組みでルーティングテーブルを作成しているのでしょう。以下にBGPの特徴を示します。
1つ1つ特徴を解説します。
BGP:AS番号によるルーティング
BGPはAS間でのルーティングを行うためのプロトコルなので、RIPやOSPFのようにIPアドレスをもとに経路を決定するのではなく、AS番号をもとにルーティングを行います。
AS番号は、ASを識別可能とするためにIANA (Internet Assigned Numbers Authority / インターネット番号割当機関)が割り振った一意の番号です。
基本的にはAS番号は世界で一つだけの固有の値になるので、この番号を利用してルーティングを行うのがBGPの特徴の1つです。
BGP:経路ベクトル型のルーティングプロトコル
BGPでは、目的地までパケットを送った際に経由するAS番号のリストを作成します。これをAS Path List と呼びます。
上記の図の場合、AS④からAS③への経路はそれぞれ2種類存在しますが、BGPでは基本的には最短となる経路を通るように設定します。したがって、AS⑤を経由するルートでデータ転送が行われることになります。
このように、経由するASのリストをもとに経路を決定するルーティングプロトコルを経路ベクトル型のルーティングプロトコルと呼びます。
BGP:TCPを利用した通信接続で差分アップデート
RIPやOSPFなどのルーティングプロトコルは定期的に経路情報を交換し、ネットワークの変更を検出する仕組みですが、BGPの場合は定期的に経路情報を交換することはありません。
BGPでは、ネットワークの構成に変更が合った場合にのみ差分の情報を交換するという特徴があります。また、このとき転送プロトコルにはTCPを利用し安定性を高めている点もポイントです。
他のルーティングプロトコルにおける経路情報の交換はすべてUDPを用いています。
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