DHCPリレーエージェントとは異なるネットワーク上にあるDHCPクライアントとDHCPサーバを中継する機能・仕組みのこと。

このページではDHCPリレーエージェントとは何か?どのような仕組み?という疑問に対して、ネットワーク初心者向けに分かりやすく1から解説します。
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい基本知識の1つ。是非最後までご覧ください。
【前提】DHCPとは?

DHCPリレーエージェントを理解するためには、DHCPに関する基本的な知識を押さえておく必要があります。
DHCPリレーエージェントを解説する前に、理解の前提となるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)について解説します。
DHCPとは、Dynamic Host Configuration Protocolの略で、インターネットに接続する際に必要となるIPアドレスなどの設定を自動的に割り当てる通信プロトコルです。
DHCPを利用することでIPアドレスに関する知識や設定を行わなくても、パソコンやスマートフォンをLANケーブルやWiFiに接続するだけでインターネットに接続することが可能になります。


DHCPが普及する前はPCにLANケーブルを指すたびに、毎回IPアドレスやデフォルトゲートウェイに関する設定を行う必要がありました。
DHCPが普及した現在では、これらの設定を行う必要がほとんど存在しなくなっています。
関連 DHCPとは?初心者向けにわかりやすく3分で解説【ネットワーク】
DHCPの仕組み
DHCPでは以下のような流れで各機器にIPアドレスなどの設定を行います。

ステップ1→ネットワークに接続した機器は、まず初めにDHCPサーバを探索(DHCP Discover)を行います。


ステップ2→DHCP Discoverを受け取ったDHCPサーバは、接続された機器に対して付与するIPアドレスなどの情報を返却します(DHCP Offer)。


ステップ3→DHCP Offerを受け取ったDHCPクライアントは、その提案を受諾する旨のメッセージ(DHCP Request)をDHCPサーバに送ります。


ステップ4→最後にDHCP Requestを受け取った最終確認としてDHCP Ackを返します。

一連のDHCPパケットをサーバ・クライアント間でやりとりをすることで、ネットワークに接続した機器へのIPアドレス等の設定を完了させます。
DHCPリレーエージェントとは?
DHCPリレーエージェントとは異なるネットワーク上にあるDHCPクライアントとDHCPサーバを中継する機能・仕組みのこと。


基本的にはルーターにDHCPリレーエージェントの機能が実装されます。
では、なぜわざわざDHCPリレーエージェントを設置する必要があるのか?それは、DHCPサーバとDHCPクライアント間の通信はブロードキャストで行われるためです。
ブロードキャストは同一のネットワーク(サブネット)内にしか送信されないため、ブロードキャストで送信されるDHCP Discover パケットがDHCPサーバまで届きません。

このような場合に、ルーターにDHCPリレーエージェントの機能を実装しておかないとDHCPの機能を利用することができません。

ネットワークスペシャリスト試験の過去問を用いて、DHCPリレーエージェントに関する知識が身に付いたかどうかを確認しましょう。
DHCPを用いるネットワーク構成において,DHCPリレーエージェントが必要になるのは,ネットワーク間がどの機器で接続されている場合か。
- スイッチングハブ
- ブリッジ
- リピータ
- ルータ

答えは「4」ですね。
スイッチングハブ、ブリッジ、リピータの各機器についての解説は以下の記事をご覧ください。
ネットワークエンジニアとして
コンピュータとコンピュータはどのように通信をしているのか?インターネットはどのような仕組みで構成されているのか?

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