レイヤ3スイッチとは?ルータとの違いを分かりやすく3分で解説

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このページでは基本情報技術者やネットワークスペシャリスト試験等で頻繁に出題されるレイヤ3スイッチについて初心者向けに分かりやすく解説します。

レイヤ3スイッチとは、OSI参照モデル第3層:ネットワーク層のプロトコルを解釈して通信制御を行う装置のこと。

このページではレイヤ3スイッチの基本的な仕組みから、ルータとの違いまでを分かりやすく図解付きで解説します。

このページで学べる内容
  • レイヤ3スイッチとは?
    • リピータ/レイヤ2スイッチ(ブリッジ)との違い
  • ルータとの違い

ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。

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前提:OSI参照モデルについて

レイヤ3スイッチ(ルータ)の役割・仕組みをきちんと理解するためには、OSI参照モデルへの理解が必須です。

OSI参照モデルを知らなくてもある程度の理解をすることはできるかもしれませんが、本質的な理解にはつながりません。この機会に簡単に合わせて学習しておきましょう。

OSI参照モデル(OSI基本参照モデル)とは、複雑なネットワークの仕組み(通信をするのに必要な機能)を7つの階層に分け、各階層の機能・役割を単純化し理解しやすいようにしたモデルです。

世界中に張り巡らされたネットワーク(インターネット)を通して、1つのコンピュータと1つのコンピュータが適切な通信を実現するためには、想像以上に複雑な仕組み・ルールが必要になります。アプリケーション間でのデータ転送方法、宛先コンピュータの特定方法、画像や動画ファイルのデータ形式の変換方法など例に挙げるときりがありません。

この複雑なネットワークの仕組みを7階層に分解し、各階層の機能・役割を分かりやすくモデル化したものがOSI参照モデルです。

レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)とは?

レイヤ3スイッチとは、OSI参照モデルの第3層:ネットワーク層のプロトコルを解釈して通信制御を行う装置です。

言い換えると、ネットワークとネットワークを接続するための通信機器がレイヤ3スイッチです。

レイヤ3スイッチとは

これだけではピンとこない方のためにリピータやブリッジとの違いを比較しながら深堀して解説します。

リピータとは?

リピータはOSI参照モデルの第1層:物理層で動作するネットワーク機器です。シンプルに物理層の機器なので、その役割を単に電気信号を中継するだけです。

リピータとは

電気信号はどうしても周辺のノイズなどの外部要因によって電気の流れが弱まってしまいます。

リピータとは

弱まった電気をもとに戻すのがリピータです。

リピータとは

ブリッジ/スイッチ

ブリッジ/スイッチはのOSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するネットワーク機器です。

流れてきたデータの宛先MACアドレスを参照し、適切な機器へデータを転送する役割を担います。

スイッチがあるおかげでデータ(=フレーム)を流す範囲を指定することができるため、1つのネットワークを仮想的に分割することが可能になります。

リピータは単に電気信号を増幅する役割だけだったので、宛先MACアドレスを見てフレームを流す方向を決めたりすることはできません。ブリッジ/スイッチとの大きな相違点です。

ブリッジとスイッチについて更に詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

スイッチは、OSI参照モデルの第2層で動作することから、L2スイッチ / レイヤ2スイッチ とも呼ばれます。また、スイッチがハブの機能も兼ね備えていることが多いので、その意味でスイッチングハブとも呼ばれます。

レイヤ3スイッチ

ここからが本題です。

レイヤ3スイッチとは、OSI参照モデル第3層:ネットワーク層のプロトコルを解釈して通信制御を行う装置のことです。

レイヤ3スイッチとは

ブリッジ・スイッチの場合は、流れてくる宛先MACアドレスを解釈しデータを流す先を制御することができましたが、OSI参照モデルの第3層に位置するIPアドレスを解釈することはできません。

したがって、異なるネットワークにデータ(=パケット)を流すことができません。IPアドレスを解釈できないと、どのネットワークにデータを転送すれば良いかが決定できないためです。

そこでIPアドレスを解釈し適切な宛先にデータを振り分ける機能が必要です。それが、レイヤ3スイッチです。

リピータ/スイッチ/レイヤ3スイッチを分かりやすくまとめると以下のようになります。

機器役割OSI参照モデル
レイヤ3スイッチIPアドレスを解釈しデータ転送第3層
レイヤ2スイッチ(スイッチ)MACアドレスを解釈しデータ転送第2層
リピータ電気信号の増幅
(データの中身は見ない)
第1層

このようにしてみると、OSI参照モデルのどの層に位置するかを理解できればリピータ/スイッチ/レイヤ3スイッチの相違点は明らかになります。

レイヤ3スイッチとルータの違い

レイヤ3スイッチとは何か?を知ろうとすると、ルータと何が違うの?と疑問がわく方も多いはずです。

結論から言うと、レイヤ3スイッチとルータは目的とする役割において同一の機器として考えてOKです。

つまり、ルータもOSI参照モデル第3層:ネットワーク層のプロトコルを解釈して通信制御を行う装置ということ。

実際には以下の点で多少の差異があります。が、現在では両者の技術革新が進み明示的な差異はそれほどなくなってきています。

レイヤ3スイッチ vs ルータ

特徴ルータレイヤ3スイッチ
対応するメディア イーサネット(有線LAN)以外も対応イーサネット(有線LAN)のみ
ポート数少ない多い
処理方式ソフトウェア処理ハードウェア処理(データ転送処理が高速

レイヤ3スイッチとルータの用途の違い

実際には上記の違いを踏まえつつ、レイヤ3スイッチは社内のLAN同士を接続する機器として、ルータは外部のネットワーク(=インターネット)と接続する機器として使い分けされる場合が多いようです。

実際に大規模なネットワークではない家庭内ネットワークではレイヤ3スイッチが利用されることはほとんどなく、その代わりにルータのみが利用されているのが現状です。

LAN

LAN (Local Area Network)とはその名の通り、ローカルなネットワーク。―つまり狭い範囲で形成されるネットワークを指します。

LANとは何か?LANとWANの違いは?について気になった方は以下の記事も要チェック!

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