CSMA/CA方式とは?ネットワーク初心者向けに1分で分かりやすく

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CSMA/CA方式Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)とは無線LANを用いた通信の衝突を回避する技術のこと。

似たような技術にCSMA/CD方式がありますが、CSMA/CD方式はイーサネットで利用される技術で、今回解説するCSMA/CA方式は無線LANで利用されるという点で異なります。

このページでは、CSMA/CA方式とは何か?無線LAN通信の問題点とCSMA/CA方式の技術的な仕組みをネットワーク初心者向けにわかりやすく解説します。

このページで学べる内容
  • CSMA/CA方式とは?
  • 無線LAN通信の問題点―通信の衝突
  • CSMA/CA方式の仕組み
    • CSMA/CA : Carrier Sense / Multiple Access
    • CCMA/CA : Collision Avoidance

情報セキュリティスペシャリスト試験/ネットワークスペシャリスト試験でも頻出の超重要知識です。ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい基本中の基本。是非最後までご覧ください。

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CSMA/CA方式とは?

CSMA/CA方式Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)とは無線LANを用いた通信の衝突を回避する技術のこと。

簡単に説明をするとCSMA/CA方式は以下の仕組みでコンピュータ同士の適切な通信を実現します。

CSMA/CA方式
  • ステップ①:無線LAN上に他の通信が流れていないことを確認する
  • ステップ②:通信が流れていなければランダムな時間だけ待機して通信を開始する

具体的な仕組みは↑の通りですが、このページではネットワーク初心者向けに「そもそもなぜこのような仕組みが必要になるのか?」という点を理解できるように、はじめに無線LAN通信の問題点―通信の衝突について解説します。

参考:CSMA/CD方式との差異
CSMA/CD方式
  • ステップ①:イーサネット上に他の通信が流れていないことを確認する
  • ステップ②:通信が流れていなければ直ちに通信を開始する

無線LAN通信:媒体共有型ネットワーク

世界中のありとあらゆるネットワークは、通信媒体(=LANケーブル等)の使い方によって以下の2つに分類することができます。

ネットワークの分類
  • 媒体共有型ネットワーク
    通信機器と通信機器をつなぐ媒体(=ケーブル)を共有するネットワーク
  • 媒体非共有型ネットワーク
    各通信機器が媒体を共有せず「占有する」ネットワーク

このうち今回紹介する無線LAN通信によるネットワークは媒体共有型ネットワークに分類されるのですが、媒体共有型ネットワークにおける大きな問題点が通信の衝突です。

CSMA/CA方式とは

媒体共有型ネットワークでは、例えば1つのコンピュータがデータを送ろうとした場合、もしまた別のコンピュータがデータを送っている最中だった場合、データ(=電気信号の波)同士が衝突(=コリジョン)してしまいます。

無線LANでは共有する媒体として「電波」を利用します。つまり、コンピュータDとコンピュータEが同時に電波を利用してデータを送ってしまうと、電波の乱れが発生し正常な通信が行えなくなるということです。

この衝突を回避するために利用される技術がCSMA/CA方式です。

CSMA/CA方式では、同時にデータを送信して通信の衝突が発生することが無いように以下の手順でデータを送付する仕組みです。

CSMA/CA方式
  • ステップ①:無線LAN上に他の通信が流れていないことを確認する
  • ステップ②:通信が流れていなければランダムな時間だけ待機して通信を開始する
媒体共有型ネットワークをさらに詳しく

媒体共有型ネットワークとは、その名の通り通信機器と通信機器をつなぐ媒体(=ケーブル)を共有するネットワークのことです。

媒体共有型ネットワーク

対して、媒体非共有型ネットワークとは、その名の通り各通信機器が媒体を共有せず占有するネットワークです。

媒体非共有型ネットワーク

CSMA/CA方式①:Carrier Sense / Multiple Access

CSMA/CA方式では通信の衝突を回避するために、通信を開始する前に利用したい周波数帯(=電波)が利用されているかどうかを確認 (Carrier Sense) することで、複数端末によるアクセス (Multiple Access) を可能にします。

CSMA/CA方式とは

もしこのとき他の端末が通信を行っていることを検出した場合は一定時間待機します。

CSMA/CA方式② : Collision Avoidance

ただし、CSMA (Carrier Sense / Multiple Access) → 通信の検知を行うことで複数端末が同じ媒体を使うという仕組みだけでは、防ぐことができない障害があります。

それが、複数の端末が同時に通信を開始する場合の衝突です。

CSMA/CA方式とは

通信を開始する前に利用したい周波数帯(=電波)が利用されているかどうかを確認 (Carrier Sense) しても、その後ただちに通信を開始してしまうと、通信が衝突してしまいます。

これを回避する仕組みが Collision Avoidance です。Collision Avoidance 即ち、通信を行いたい端末はすぐに通信を開始するのではなく、各通信機器はランダムな時間だけ待機して通信を開始します。

CSMA/CA方式とは

各端末がランダムな時間だけ待機すれば通信の衝突は発生することはありません。

イーサネットであれば通信の衝突を検知することができるためランダムな時間だけ待機する必要はないのですが、無線LANの場合は電波を利用するため通信の衝突を検知することができません。

したがって、無線LANで用いられるCSMA/CA方式の場合は以下2ステップで構成されるのです。

CSMA/CA方式
  • ステップ①:無線LAN上に他の通信が流れていないことを確認する
  • ステップ②:通信が流れていなければランダムな時間だけ待機して通信を開始する
CSMA/CD方式

CSMA/CD方式では、イーサネット(物理的な線)を利用しているため通信の衝突を検知することができます。

そのため、各端末は即時に通信を開始。もし衝突したら適当な時間だけ待って再送するという仕組み (Collision Detection) を採用しています。

CSMA/CD方式とは

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