メモリとはコンピュータが情報を一時的に保存しておく場所のこと。日常生活を例にするとメモリは一時的に何かを覚えておくために使うメモ帳のようなものです。
例えば料理をするときは「レシピ」を確認しながら材料を揃えていきます。このときメモ帳に必要な材料や手順を書いておけば、料理の途中でレシピ本を何度も見返す必要がなくなりスムーズに作業を進められるようになります。(メモ帳があることで、必要な情報をすぐに参照でき効率よく料理を完成させることができます。)
同じように、コンピュータも作業中に必要な情報をメモリに保存しておくことで、CPUがすぐにデータにアクセスできるようにしています。この結果、プログラムの実行が速くなりコンピュータ全体のパフォーマンスが向上するという仕組み。
もしメモ帳がなかったら、あなたは毎回レシピ本を開いて確認しなければならず時間がかかってしまいます。コンピュータも同様にメモリがなければ必要なデータを毎回ストレージから読み込む必要があり、その度に時間がかかってしまいます。
メモリは、一時的に情報を保存しておくことで作業を効率よく進めるために不可欠なものと理解しておきましょう。
メモリの種類(RAMとROM)
メモリは大きく以下の2種類に分類されます。
特徴 | RAM(ランダムアクセスメモリ) | ROM(読み出し専用メモリ) |
---|---|---|
役割 | 作業中に使うデータを一時的に保存する場所 | 重要なデータやプログラムを長期間保存する場所 |
例 | メモ帳 | 料理本 |
特徴 | 高速にデータを読み書きすることが可能 | 電源を切ってもデータが残る |
データの保持 | 電源を切るとデータが消える(揮発性) | 電源を切ってもデータが残る(不揮発性) |
書き換え | 何度でも書き換え可能 | 書き換えが難しい、もしくはできない |
RAM
RAMのポイントは「高速」「揮発性」の2点です。
ポイント1 高速: RAMは非常に高速にデータを読み書きすることが可能。机の上にメモ帳を置いてすぐに書き込みや読み取りができるのと同じ。
ポイント2 揮発性: RAMに保存されたデータは一時的なもので、電源を切ると消えてしまいます。メモ帳に書いたメモが一日の終わりに捨てられるのと同じ。
ROM
ROMは、コンピュータの基本的な動作に必要なデータやプログラムを長期間保存する場所。(図書館の棚にある重要な参考書のようなイメージ。)図書館の本棚に保存された本には固定された情報が書かれており、必要なときに取り出して参照します。この情報は長期間保存され、変更されることはほとんどありません。
ROMの特徴は「不揮発性」「書き換え不可」の2点。
ポイント1 不揮発性: ROMに保存されたデータは電源を切っても消えません。図書館の本が常にその場所にあり、必要なときにいつでもアクセスできるのと同じイメージ。
ポイント2 書き換え不可: ROMのデータは基本的に変更不可。メモ帳ではなく参考書のようなもので、簡単には書き換えられないのと同じ。
ROMとストレージの違いは?
ここでROMとストレージの違いがわからなくなってきた人もいるかもしれませんので補足。
ストレージは、ユーザーデータやアプリケーションなどを長期間保存する場所で、電源を切ってもデータが消えない点ではROMと共通していますが保存するデータの内容が異なります。
- ROM:コンピュータの基本動作に必要なデータを保存。例えば、起動時に使うプログラムなど。
- ストレージ:データやアプリ、ファイルなど、長期間保存する必要のある「あらゆるデータ」を保存。
例えるとROMは「辞書」のようなもの。基本的な情報が提供するもので変更されることはほとんどありません。一方でストレージは「書斎」のようなものです。必要に応じて内容を追加したり、削除したりすることができます。
メモリのサイズは大きければ大きいほど良い?
コストパフォーマンスを度外視する場合、メモリは大きければ大きいほど良いと言えます。将来的な拡張性や、複数の重いアプリケーションの同時実行にも対応できメモリ不足によるパフォーマンス低下を回避することが可能です。
が、メモリは高価なので現実的にはコスパを考慮し、使用目的に合った適切なサイズのメモリを選ぶことが一般的です。
基本的な使用(ブラウジング、メール、ドキュメント作成)
- 4GBから8GBのメモリで十分。
- 一般的なタスクを快適にこなせるレベル。
中程度の使用(マルチタスキング、軽いゲーム、写真編集)
- 8GBから16GBのメモリが推奨。
- 多くのプログラムを同時に開いても快適に動作する。
高度な使用(ビデオ編集、大規模なデータ処理、重いゲーム)
- 16GB以上のメモリが必要。
- 大量のデータや高性能なアプリケーションを処理するために十分なメモリが必要で
メモリが多すぎても使用するプログラムやデータ量が少なければ、そのメモリは無駄になります。日常的な作業に64GBのメモリを搭載しても、実際に必要なメモリは8GB程度であるため、残りのメモリは使われないことになります。