転記キー(Posting Key)は、SAPの会計処理において重要な役割を果たすFIモジュールの設定項目の1つです。
借方/貸方の識別、利用する勘定コードの制限などを行うのが主な役割です。
参考 勘定コードとは?
このページではSAPにおける転記キーの意味と役割、設定方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
SAPエンジニア(特にFIコンサルタント)を目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。
転記キー(Posting Key)とは?
転記キーは、会計伝票(Accounting Document)における個々の勘定コードの取引に対する借方(Debit)または貸方(Credit)を制御する役割を担います。
簡単に言えば、〇〇という転記キーを利用する場合には「貸方」に「資産関連の勘定コード」を入力しないといけないといった制御が可能になります。
転記キーは通常2桁の数字で表され、その数字は会計処理の種類や勘定科目の性質に応じて割り当てられます。
転記キーの主な機能は以下のとおりです。
SAPの標準でいくつかの転記キーを提供していますが、独自の要件に合わせてカスタマイズで転記キーを作成することもできます。
転記キーのイメージがより深まるように代表的な転記キーをいくつかご紹介しておきます。
転記キー | 説明 | 勘定科目の例 |
---|---|---|
40 | 借方エントリ (Debit Entry) | 備品(Office Supplies) |
50 | 貸方エントリ (Credit Entry) | 売上(Sales Revenue) |
70 | 借方手形 (Debit Bill of Exchange) | 手形受取(Bills Receivable) |
75 | 貸方手形 (Credit Bill of Exchange) | 手形支払(Bills Payable) |
86 | 借方納品 (Debit Delivery) | 商品在庫(Inventory) |
89 | 貸方納品 (Credit Delivery) | 売上原価(Cost of Goods Sold) |
31 | 貸方顧客 (Credit Customer) | 未収入金(Accounts Receivable) |
21 | 借方仕入先 (Debit Vendor) | 未払金(Accounts Payable) |
この表は、転記キーの一般的な使用例を示していますが、企業は独自のビジネス要件に応じて転記キーと勘定科目の設定をカスタマイズできます。
適切な転記キーと勘定科目の選択により、会計プロセスを効率化し、エラーを低減することができます。
転記キーのカスタマイズ方法
標準的な転記キーでは企業の要件を満たせない場合、会社独自の転記キーを定義する必要があります。
以下のメニューから転記キーの定義画面へ遷移します。
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