【FI】SAPの伝票タイプとは?3分で解説します

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このページでは、SAPのFIモジュールにおける重要知識「伝票タイプ」について解説します。

そもそも伝票タイプとは何か?伝票タイプは何を選べば良いの?こんな疑問にお答えします。

このページで学べる内容
  • 伝票タイプとは何か?
  • 伝票タイプのカスタマイズ項目と設定方法―制御内容

SAP開発者や、SAPを利用する人であれば知っておいて損はない(または、知らないと恥ずかしい)基本知識ですので、是非最後までご覧ください。

それでは、早速解説を始めます。

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伝票タイプとは?

伝票タイプを大まかに説明すると、会計伝票をグルーピングする役割を担う項目である、と説明することができます。

会計伝票番号だけでは、1日に何万とある取引を正確に分類・レポーティングすることが難しい側面があるため、この伝票タイプという概念を導入することでそれらを克服するのです。

伝票タイプの目的①:取引の区別を行う

会計の世界においては、一口に「取引」と行っても、お客さんからお金を回収する取引(AR)や、お店にお金を払う取引(AP)、また同じ会社の中での取引など、その種類は様々です。

伝票タイプの目的は、その取引を区別し、膨大な取引データを整理して集計するために存在します。会社コードの解説記事でも説明した通り、FIモジュールのゴールは「財務諸表を出力すること」にあります。

財務諸表を出力するには、今口座にどれだけ現金があるか、どれぐらいお客さんと取引したか、どれぐらい経費を使ったか、まだ改修していないお金は?など、多種多様な取引データを一つひとつ整理する必要があります。

その時に役立つのが伝票タイプという考え方です。

伝票タイプの目的②:入力ミス防止

これは、他のサイトでは触れられていませんが、伝票タイプの目的として「入力ミスを防ぐこと」が可能になります。

詳しい説明は本ページ後半で行いますが、伝票タイプによって使える勘定コードや、伝票を入力できるユーザなどが異なってきます。伝票タイプを正しく分類し、その分類に応じた適切な設定をしておけば、「正しいユーザが」「取引内容を正しく」入力することにつながります

「伝票タイプが誤っています」「この伝票タイプは利用できません」など、これらのメッセージ制御によって取引内容を正しく記録することができるのです。

では、具体的にどのようにして、それらを制御しているのか?

ここからは、具体的なカスタマイズ(設定)を見ながら、伝票タイプの役割について深く学んでいきましょう。

伝票タイプのカスタマイズ

伝票タイプのカスタマイズは、SAP導入前に実施しておく必要があります。

この設定を行わないと、SAPで会計伝票を登録することができません

トランザクションコード:OBA7

伝票タイプのカスタマイズはトランザクションコードOBA7から行います。

以下の画面をご覧ください。この画面は、伝票タイプのコンフィグレーション(カスタマイズ)画面です。

伝票タイプのコンフィグレーション(カスタマイズ)画面

ご覧のように、様々な設定を行えるようになっております。

権限の項目や、勘定タイプの設定。1つの伝票タイプについて、20個以上の個別設定を行うことが可能になります。

テーブル:T003

カスタマイズした内容はテーブル:T003に保存されます。トランザクションコード:SE16「データブラウザ」機能を用いることで伝票タイプが何種類存在するか?など一発で確認可能。

アドオン開発で、伝票タイプの設定項目を参照したい場合にはT003のテーブルを利用することができます。

伝票タイプ

二桁の英数字を入力します。

この英数字はデータ型「char」として扱われるため、そのコード自体に意味はありません。クライアントの要件にしたがって何らかの値が設定されています。

システム的な役割詳しくを説明すると、この伝票タイプをキーに帳票を出力するプログラムがアドオンで開発されることもあります。したがって、できるだけ同じような取引を同じようなコードでまとめておくと便利かもしれません。例えば、C始まりの伝票タイプは「支払伝票にする!」とか。

こうしておけば、伝票タイプ「C*」を指定して「支払伝票一覧出力プログラム」なんかを作れるようになるということです。

テキスト

伝票タイプの説明です。

ここに登録した内容が、伝票入力時に画面上に表示されるようになります。そのため、ユーザがどれを選択すればよいか?が分かるように、ユーザフレンドリーな単語で設定しておくのがおすすめです。

番号範囲

その伝票タイプを使用した際に、採番される伝票番号の範囲を識別するためのコードを設定します。簡単に説明すると、以下のような構造になっています。

伝票タイプ「C0」⇒ 番号範囲「01」⇒ 「01 ⇒ 00000001~10000000範囲」

つまり、伝票タイプ「C0」の番号範囲を「01」に指定した場合、前提として番号範囲「01」が伝票番号「 00000001~10000000 」に設定されているので、その伝票タイプを利用して伝票入力を行うと伝票番号は「 00000001~10000000 」の間で採番されます。つまり、99999999などにはならないということです。

番号範囲設定画面

番号範囲設定については、言葉だけではイメージしづらい部分もあるので、実際のカスタマイズ画面で理解を深めましょう。以下が、伝票番号範囲の設定画面です。

この画面では、番号範囲「20」が「1000000000~199999999」の範囲を指定していることが分かります。

伝票タイプは、この番号範囲「20」を指定することによって、間接的に伝票番号を決定する仕組みなのです。

番号範囲指定に意味はある?

番号範囲を指定する意味としては、やはり集計・検索時の足掛かりとなることが挙げられます。伝票検索で、検索したい伝票番号の範囲が分かっていればそれだけ検索効率が上がります。

例)伝票番号10000~20000の間に支払伝票があるので、検索条件にその番号を指定しよう!

しかしそれにあまり意味を見出せない場合は、全ての伝票タイプに統一して同じ番号範囲を設定しよう!ということも可能です。この場合、伝票番号に空き番が出ないというメリットもあるので、どちらを取るかは判断です。

反対仕訳用伝票タイプ

反対仕訳、つまり伝票を取り消す場合にどの伝票タイプで転記するかということを設定する項目です。反対仕訳では、明示的に伝票タイプを指定できないのでここで設定しておく必要があります。

特に設定をしない場合は、反対仕訳を行う伝票タイプと同一の伝票タイプが反対仕訳時に自動で割り当てられます。

業務要件にしたがって個別に割り当てるのか、割り当てないのか、全て同一の伝票タイプとするのかを判断して設定します。

反対仕訳とは?

反対仕訳とは、「間違って計上した伝票を取消する」ことです。 基本的には、誤った伝票と貸借が逆になる仕訳の伝票を投入します。

誤って転記した仕訳   普通預金 3500円 / 売上 3500円
修正仕訳        売上 3500円 / 普通預金 3500円


反対仕訳についてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご確認ください。

権限グループ

伝票タイプごとに、その伝票タイプを利用することができる権限グループを設定します。

権限グループとは、簡単に言うと「部署」や「役職」ごとに区切られているシステムの利用権限のことを言います。ここで設定された権限グループが割当たっているユーザのみが、その伝票タイプを利用できます。

部長以上にしか伝票タイプ「C0」を使わせない!みたいなことを実現することができます。

権限グループに何も設定をしないと、その伝票タイプは誰でも使える伝票タイプとなる点に注意しましょう。

勘定タイプ

どの勘定を利用できるか、を設定します。

勘定タイプ一覧
  • 資産  ⇒ 当該伝票タイプを使用して資産勘定に転記できる
  • 得意先 ⇒ 当該伝票タイプを使用して得意先勘定に転記できる
  • 仕入先 ⇒ 当該伝票タイプを使用して仕入先勘定に転記できる
  • 品目コード ⇒ 当該伝票タイプを使用して品目勘定に転記できる
  • 総勘定元帳 ⇒ 当該伝票タイプを使用して総勘定元帳勘定に転記できる  

例えば、支払伝票なのに「売掛金(※顧客から回収できるお金)」を利用することはありません。

支払の場合に用いる伝票であれば、上記「仕入先」のみにチェック。「得意先」からはチェックをはずします。

合わせて覚えておきたい内容

会計伝票に対するカスタマイズは、様々な設定が相互関連しています。

ここまでの内容で「伝票タイプ」についての解説はおわりますが、時間があればFIモジュールの基本設定である「転記キー」についても理解しておきましょう。

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