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【SAP/FI】反対仕訳(逆仕訳)マイナス転記を3分で解説

FI

SAPのFIモジュールにおける反対仕訳とマイナス転記の基本とカスタマイズ方法を解説します。

勘定科目借方貸方
仕入れ10,000円
買掛金10,000円
通常の仕訳

反対仕訳=借方と貸方が逆転した仕訳のこと

勘定科目借方貸方
仕入れ10,000円
買掛金10,000円
反対仕訳

マイナス転記=マイナスの金額を転記すること

勘定科目借方貸方
仕入れ-10,000円
買掛金-10,000円
マイナス転記
このページで学べる内容
  • 反対仕訳とは?
  • マイナス転記とは?
  • 【SPRO】カスタマイズ方法

SAPエンジニア、特にFIコンサルを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。

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SAP/FI:反対仕訳とは?

反対仕訳とは、借方と貸方が逆転した仕訳のこと。誤って投入してしまった仕訳を修正するために計上される仕訳です。

つまり、元の仕訳で借方に記録したものを貸方に、貸方に記録したものを借方に記録することで、元の仕訳とは逆の効果を生じさせることができる仕訳です。

なお、現場によっては「逆仕訳」とも呼ばれますが、このページでは基本的に「反対仕訳」の単語で統一します。SAPの世界では、逆仕訳という単語ではなく「反対仕訳」が用いられるためです。

勘定科目借方貸方
仕入れ10,000円
買掛金10,000円
通常の仕訳

反対仕訳=借方と貸方が逆転した仕訳のこと

勘定科目借方貸方
仕入れ10,000円
買掛金10,000円
反対仕訳

SAP/FI:マイナス転記とは?

対して、マイナス転記とは貸借を逆転して元の仕訳を修正するのではなく、もとの金額にマイナスをかけて伝票を投入する仕訳です。

勘定科目借方貸方
仕入れ10,000円
買掛金10,000円
通常の仕訳
勘定科目借方貸方
仕入れ-10,000円
買掛金-10,000円
マイナス転記

こちらも誤って計上した伝票を取り消すような場合に用いるのですが、こちらはちょっと特殊なやりかた(=SAPに限らず修正の基本は反対仕訳)です。

このマイナス転記を行えるようにするかどうか?は以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • 会社コードに対してマイナス転記が許可されていること
  • 伝票登録時の反対仕訳理由に対してマイナス転記が許可されていること

実際の業務・簿記の計上方法を理解したところで、SAP上での反対仕訳の投入方法を解説していきます。

会社コードに対してマイナス転記を許可
  • ステップ1
    SPRO > 財務会計 > 総勘定元帳 > 取引 > 調整転記/反対仕訳 > 許可 : マイナス転記 を選択
  • ステップ2
    対象の会社コードに対してマイナス転記可をON

SAPでの反対仕訳投入手順

原則として、SAPでの反対仕訳の処理は必ずもとの仕訳と紐づける形で登録することになります。

つまり、貸借逆の仕訳をFB01(伝票登録画面)から登録する、ということはありません。反対仕訳専用の機能を利用します。

FB08:伝票の反対仕訳

反対仕訳の投入はトランザクションコード:FB08 から投入します。

参考 トランザクションコードとは?

トランザクションコード:FB08では「伝票の反対仕訳:ヘッダデータ」という画面が表示されます。画面を見て頂ければわかる通り、各項目(伝票番号や会社コードなど)を説明にしたがって入力していくだけの簡単な画面です。

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本当に自分が投入したい仕訳が投入されるのか?なんて不安がある方は「反対仕訳前に照会」ボタンを押すことで「反対仕訳」を確認することができます。

尚、伝票番号の項目には「反対仕訳を行いたい伝票番号」を指定するのですが、ご覧の通り、本画面では「伝票番号は1つだけ」の指定です。範囲指定ができません。

では、複数件の伝票を反対仕訳したい場合はどうするか?

F.80:伝票の一括反対仕訳

間違って100件以上仕訳を投入してしまった!なんて場合には、一括で反対仕訳を行うことになります。

トランザクションコード:F.80から、一括反対仕訳を行います。

こちらの画面からは、伝票番号も範囲指定・複数指定ができるのため一括での反対仕訳が可能です。

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注意点:計上される仕訳について

どちらの画面でも反対仕訳、すなわち「伝票の取消」という目的は達成される一方で、両画面で必須項目となっている「反対仕訳理由」という項目の選択の仕方によっては挙動が変わる場合が存在します。

実際にどのような仕訳が作成されるかは、会社ごとに異なりますので事前に確認しておきましょう。

ここからは、さらにシステム的な設定方法を解説していきます。SAPコンサル・エンジニアの方はここまでの理解はあくまでも前提であり、ここからが本題です。

カスタマイズ方法:SPRO

反対仕訳理由は、トランザクションコード:SPROからのカスタマイズ項目です。どのような仕訳で反対仕訳を達成するか、業務的な要求に答える形で設定を行う必要があります。

カスタマイズ自体は非常に簡単です。

意外と設定すべき項目は多くありません。概念の理解をしていれば、カスタマイズは簡単です。

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反対仕訳:理由

ここには、反対仕訳理由を一意にするためのコード値を設定します。英数字2桁で設定します。

反対仕訳:テキスト

反対仕訳理由を示すテキストを入力します。例えば「転記誤りによる修正仕訳」「納入製品の取り消し」など、どの業務で利用するかを定義する項目です。

ここで定義したテキストが選択画面、伝票照会画面で表示されるためユーザフレンドリーなテキスト(分かりやすい説明)を心がける必要があります。

反対仕訳:Neg転記

このパラメータは、反対仕訳の際にマイナス転記を行うかどうかの制御可否の判別となります。

  • チェック
    マイナス転記を行う
  • ブランク
    マイナス転記を行わない

チェックをすることでマイナス転記が可能になります。

ただし、本項目で「X」を指定した場合でも、会社コードの設定で「マイナス転記を不可」としている場合は、マイナス転記を行うことはできません。

再掲:会社コードに対してマイナス転記を許可
  • ステップ1
    SPRO > 財務会計 > 総勘定元帳 > 取引 > 調整転記/反対仕訳 > 許可 : マイナス転記 を選択
  • ステップ2
    対象の会社コードに対してマイナス転記可をON

反対仕訳:代替転記日

この項目は、反対仕訳する際に転記日を自由に設定できるかどうかを制御します。

  • チェック
    →反対仕訳元伝票の転記日付以降の日付で反対仕訳を行うことが可能
  • ブランク
    →元伝票の転記日付と同一日でのみ反対仕訳を行うことが可能

反対仕訳なので、反対仕訳元伝票の転記日付以前はいかなる場合も指定することができません。会計期間がクローズされた日付の伝票を反対仕訳する可能性がある場合は「X」を設定する必要があります。

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