侵入検知システム(IDS)と侵入防御システム(IPS)について1分で解説します。
ポイント ①IDSは攻撃を検出 ②IPSは攻撃を阻止
インターネットのセキュリティ脅威は日々進化しており、企業や個人のデータを保護することがこれまで以上に重要になっています。このような背景の中で、侵入検知システム(IDS)と侵入防御システム(IPS)は、ネットワークセキュリティの不可欠な要素となっています。特に、大企業などのシステム構築を行う際にはこれらの知識が必須となる場合が多いです。
このページでは、IDSとIPSとは何か?両者はどのように機能するか?具体的な製品概要を端的に解説します。
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識です。是非最後までご覧ください。
IDS(侵入検知システム)とは?
IDS(侵入検知システム)とは、不正なアクセスや異常なトラフィックパターンを検知するシステムのことです。
ザックリいえば、不審な通信を見つけるためのシステム・ツールだと理解すればOK。
IDSの主な目的は、セキュリティ侵害の徴候や不審な活動を検出し、それを管理者に通知すること。ネットワーク内の通信を監視し、既知の攻撃パターンや異常な振る舞いを持つトラフィックを検出しアラートを発することで、セキュリティチームへ対応の開始を知らせることを目的としています。
IDSの種類
IDSには主に2つのタイプがあります。
- ネットワークベースのIDS (NIDS)
- NIDSは、ネットワーク全体を監視し、データパケットを解析して異常を検出。
- 主に、企業や組織のネットワークゲートウェイで使用される。
- ホストベースのIDS (HIDS)
- HIDSは、特定のデバイスやサーバー上で動作し、そのシステム内の活動を監視。
- システムファイルやログの変更を追跡し、異常な挙動を検出。
IPS(侵入防御システム)について
侵入防御システム(IPS)は、不正なアクセスや攻撃からネットワークを守る役割を果たします。
IDS(侵入検知システム)が異常を検出する役割を担う一方で、IPSはその一歩先、検出された脅威に対して積極的に介入し、攻撃を阻止する役割を持っています。
IPSは、不正なトラフィックを検知した際に、それを遮断または修正することで、ネットワークへの侵入を防ぎます。このシステムは、IDSによって検出された脅威を分析し、自動的に応答することで、セキュリティ侵害のリスクを減らします。IPSは、潜在的な攻撃を即座に阻止することで、データの損失やシステムへの被害を未然に防ぎます。
IPSの機能
IPSの主な機能は以下の通りです:
- トラフィックの監視と分析
- ネットワークトラフィックをリアルタイムで監視し、異常なパターンや既知の攻撃シグネチャを検出。
- 攻撃の阻止
- 検出された攻撃や不審なトラフィックを自動的に遮断し、ネットワークを保護。
- レポートと通知:
- セキュリティ侵害の試みに関する詳細なレポートを生成し、管理者に通知。
IPSの種類
IPSには、主に以下の二つのタイプがあります。
- ネットワークベースのIPS (NIPS)
- NIPSはネットワークトラフィック全体を監視し、異常を検出した場合に対処。
- ホストベースのIPS (HIPS)
- HIPSは特定のデバイスやサーバー上で動作し、そのシステム固有の脅威に対処。
IPSは、サイバーセキュリティの戦略において不可欠な要素です。攻撃者がますます巧妙になる中で、IDSと組み合わせて使用することで、組織のデジタル資産を守るための強固な防御線を提供します。
代表的なIDS/IPS製品
ここでは代表的なIDS/IPS製品をご紹介しつつ、IDS/IPS製品が何者かをちょっとだけ具体的に解説していきます。
製品名 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
Cisco Firepower | IDS/IPS | 高度な脅威分析、統合された防御機能を提供。広範囲のネットワークに対応。 |
Palo Alto Networks | IDS/IPS | 次世代ファイアウォール機能を含む、包括的なセキュリティソリューション。 |
Check Point Software | IDS/IPS | 簡単な管理と柔軟な配置オプションを提供。効率的なセキュリティ管理。 |
Fortinet FortiGate | IDS/IPS | 高速な処理能力とAIによる脅威分析機能。中小企業から大企業まで対応。 |
Snort | IDS | オープンソースで、カスタマイズ可能。広範なユーザーコミュニティ。 |
IDS/IPSの導入ステップ
- インストールと配置:
- ネットワークの設定:
- ポリシーとルールの設定:
- IDS/IPSシステムには、特定の脅威や異常行動を検出するためのポリシーとルールを設定します。これには、既知の攻撃シグネチャ、異常なトラフィックパターン、不審なアクティビティなどが含まれます。
- アラートと通知の設定:
- 管理者やセキュリティチームが迅速に対応できるように、アラートと通知の設定を行います。これには、アラートの重大度、通知方法(メール、SMS、ダッシュボード上のポップアップなど)、および対応プロトコルが含まれます。
- テストと調整:
- システムの運用を開始する前に、設定をテストし、必要に応じて調整します。これは、誤検知(False Positives)や見逃し(False Negatives)を最小限に抑えるために重要です。
- 継続的な更新とメンテナンス:
- サイバー脅威は常に進化しているため、IDS/IPSシステムのソフトウェアを定期的に更新し、ルールセットを最新の脅威情報に基づいて維持することが不可欠です。
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