POPとはPost Office Protocolの略で、メールを受信する際に利用する通信プロトコルです。

このページでは、ネットワーク初心者向けにPOP (Post Office Protocol) とは何か?どのような仕組みでメールの受信を行っている?メール送受信の仕組みは?についてわかりやすく解説します。
そもそも通信プロトコルって何?という方でも大丈夫です。必要となる周辺知識も一緒に理解できるように丁寧に説明します。
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識です。またネットワークエンジニアでなくてもITに関する仕事をしている方であれば知っておいて損はない知識です。是非最後までご覧ください。
POPとは?わかりやすく
POPとはPost Office Protocolの略で、メールを受信する際に利用する通信プロトコルです。

OSI参照モデルで言うと第7層:アプリケーション層で動作するプロトコルです。
通信プロトコルとはコンピュータとコンピュータが通信を行う際に決められた約束事・決まりのこと。製造されたメーカーも国も違うコンピュータ同士が、お互いに適切に通信を行うためには「守るべき共通のルール」が必要。
その「守るべき共通のルール」として定義されたのが通信プロトコルです。

例えば、普段私たちがお互い話をすることができているのも「利用する言語」があらかじめプロトコルとして決まっているからとも言えます。

POP:メール送受信の仕組み
POPを利用したメール受信の仕組みを以下にわかりやすく図解しました。

メールは「送信」に関するSMTPと、「受信」に関するPOPという2つのプロトコルが有機的に動作することにより実現されています。

POPはSMTPによりメールサーバに届けられたメールを受信側のコンピュータに取り出すために利用されます。
もしPOPがなければ、相手からのメールがメールサーバに届けられたとしても、自分のコンピュータでメールを確認することができません。

日常生活に置き換えて説明すると、自宅のポストまで手紙を届けるのがSMTPの役割。ポストから手紙を取り出すのがPOP (Post Office Protocol) の役割です。
POP3 (Post Office Protocol version 3)
上記では単にPOPという単語で説明しましたが、現在ではバージョン3に進化したPOP3 (Post Office Protocol version 3) を利用するのが主流です。
そのため、単にPOPという用語が用いられる場合はPOP3を指します。

次の章ではPOP3がどのようにメールサーバと通信をし、メール受信を行っているのか?をより詳しく解説します。
POP3の仕組み
送信者からメールサーバまでメールが転送された後に、どのようにPOP3がメール受信を行うか?を見ていきます。以下図の枠内がここでの説明範囲です。


POP3がメールを取り出す仕組みを簡単にまとめると以下の3ステップに分けられます。
具体的にはメールサーバとメーラーの間でPOPコマンドを介してやり取りがなされます。

コマンド | 説明 |
---|---|
USER | 認証するユーザー名を通知 |
PASS | 認証するユーザーのパスワードを通知 |
LIST | 指定されたメールのサイズを通知 |
RETR | 指定されたメールをコンピュータに取り出す |
DELE | 指定されたメールをメールサーバーから削除する |
QUIT | メールサーバとの接続を終了する |
ポイントは、POP3もSMTPと同様にTCPを利用してコネクションを確立するという点です。

よく上記の内容が各種資格試験で出題されるのでしっかりと頭に入れておきましょう。
また、SMTPではポート番号「25」が利用されましたが、POP3では「110」が利用されます。こちらも、基本知識として押さえておきたい内容です。
ポート番号とは、コンピュータがTCP/IP通信に使用するプログラムを識別するための番号のこと。
1つのコンピュータの中では常に複数のプログラムが動作しているため、ネットワーク通信を行う際には「どのプログラムに対して通信を行えば良いか?」を識別する必要があります。その識別を行うのがポート番号です。

ポート番号はネットワーク通信における超・基本的な内容ですので、イマイチ理解しきれていない・・・という方は以下の記事を合わせてご覧ください。
ネットワークエンジニアを目指したい方は
コンピュータとコンピュータはどのように通信をしているのか?インターネットはどのような仕組みで構成されているのか?

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