PPP(Point-to-Point Protocol)とは?わかりやすく3分で解説

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PPP (Point-to-Point Protocol) とは、ネットワーク機器同士を1対1で接続してデータ通信を行うためのプロトコルです。

読み方はそのまま「ぴーぴーぴー」です。

OSI参照モデルで言うと、第2層:データリンク層で動作するプロトコルで、電話回線やISDN、ATM回線などで利用されています。

このページではPPP (Point-to-Point Protocol) って何?PPPはいつ利用されるの?どのような仕組みでデータ通信を実現させているの?という疑問にお答えします。

このページで学べる内容
  • PPP (Point-to-Point Protocol) とは?
  • LCP (Link Control Protocol) とNCP (Network Control Protocol)

PPP (Point-to-Point Protocol) はネットワークスペシャリスト試験などの各種試験でも出題される基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。

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PPP (Point-to-Point Protocol) とは?

PPP (Point-to-Point Protocol) とは、OSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するプロトコルで、コンピュータ同士が1対1の通信を行うための諸々の規定を定めています。

簡単に言えば、1対1で接続されたコンピュータ同士が「どのような手順で」「どのようなデータ形式で」通信を行うか?を定めたプロトコルがPPPです。

OSI参照モデル第2層:データリンク層

OSI参照モデル(OSI基本参照モデル)とは、複雑なネットワークの仕組み(通信をするのに必要な機能)を7つの階層に分け、各階層の機能・役割を単純化し理解しやすいようにしたモデルです。

OSI参照モデルの第2層:データリンク層は、LANケーブルなどで直接接続されたコンピュータ同士でデータをやり取りできるようにするためのもろもろの機能を提供します。

第1層:物理層では、二進数のビット列から電気信号・光信号・電波への変換方法や電気信号の電圧レベル、LANなどの伝送媒体など電気信号に関するもろもろの仕組みを規定します。

OSI参照モデル(第1層):物理層
OSI参照モデル第1層:物理層イメージ

ただし、第1層:物理層の規定を守って適切な電気信号を送付しただけでは、コンピュータ同士は適切に通信を行うことができません。

例えば、LANケーブルで4台のコンピュータがつながっている場合。接続先のコンピュータに電気信号が届いても、果たしてどのコンピュータに対して送信したデータであるかは判別できません。

OSI参照モデル(第2層):データリンク層

OSI参照モデルの第2層:データリンク層では、データ転送対象の機器の判別する役割LANケーブルなどで接続された機器同士でのデータ通信方法などを規定し、お互いに正しく通信ができるようにルールを定めています。

PPP (Point-to-Point Protocol) をきちんと理解するためには、OSI参照モデルに関する知識は確実に押さえておく必要があります。

以下の記事でOSI参照モデルに関する解説を行っておりますので、自信のない方はまずは以下の記事をご覧ください。

イーサネットの場合は、OSI参照モデルにおける第1層:物理層と第2層:データリンク層の両方に関する規定を定めています。具体的には「どのようなケーブルを利用するか?」「どのようにLANに接続されたネットワーク機器を識別するか?」などを定めています。

一方で、PPP (Point-to-Point Protocol) の場合は利用するケーブル(=物理層)に関する規定は設けておらず、純粋に「どのように2点間の通信を制御するか?」を規定したプロトコルであるという点が相違点です。

つまり、PPP (Point-to-Point Protocol) の仕組みだけでは実際に通信を行うことができません。電話回線やATM回線などを利用する通信回線の上で、PPPが実際に動作する仕組みです。

PPPの仕組み

PPP (Point-to-Point Protocol) は、大きく2つのプロトコルから構成されます。

1つが「どのようにコネクションを確立するか?」を定めるLCP。もう1つが、確立されたコネクション上で「どのようにデータを運ぶか?」を定めるNCPです。

LCPとNCP
  • LCP (Link Control Protocol)
  • NCP (Network Control Protocol)

LCP (Link Control Protocol) はコネクションを確立したり切断したり、認証プロトコル(PAP or CHAP)の設定、パケット長の設定などを制御するプロトコルです。

LCP (Link Control Protocol) が動作することによって、1対1の通信回路(=道)が出来上がるようなイメージができればOKです。

PPP:NCP (Network Control Protocol)

NCP (Network Control Protocol) は、確立したコネクション上で「どのような通信を行うのか?」を制御します。

LCPは「道」の確立。NCPはその「道(=通信回路)」の上で使用するプロトコルを決めるイメージです。

例えば、IP通信であれば「IPCP」としてIPアドレスの設定などを行ったりします。

PPPのまとめ
  • PPP (Point-to-Point Protocol) とは、OSI参照モデルの第2層:データリンク層で動作するプロトコルで、コンピュータ同士が1対1の通信を行うための諸々の規定を定めている。
  • PPP (Point-to-Point Protocol) は以下2つのプロトコルから構成される
    • LCP (Link Control Protocol)
      コネクションを確立したり切断したり、認証プロトコル(PAP or CHAP)の設定、パケット長の設定などを制御。
    • NCP (Network Control Protocol)
      確立したコネクション上で「どのような通信を行うのか?」を制御

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