Pythonのraise文は、特定の例外を手動で発生させるために利用します。raise文を適切に利用することで、エラーハンドリングや特定の条件下で複雑なプログラムの制御が可能になります。
def divide(x, y): if y == 0: raise ValueError("0で割ることはできません。") return x / y try: result = divide(10, 0) except ValueError as e: print(e)
参考 def文(関数) / try-except
上記のコードでは、0による除算が試みられたときに、明示的にValueError
例外を引き起こしています。これにより、エラーが発生した理由を具体的に知ることができ、適切なエラーハンドリングを行うことができます。
Pythonのraise文は、エラーや例外条件をプログラム内で明示的に引き起こすためのもので、これによりプログラムの実行を特定の条件下で制御したり、特定のエラーを発生させたりすることが可能となります。
このページではraise文の使い方やコツ、利用する際の注意点をサンプルコード付きでわかりやすく解説します。
Pythonエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。
Python:raise文
Pythonのraise文はエラーや例外条件をプログラム内で明示的に引き起こすためのものです。
これによりプログラムの実行を特定の条件下で制御したり、特定のエラーを発生させたりすることが可能となります。
また、例外の型や例外オブジェクトを指定して任意の例外を発生させることができる他、直前の例外を再度発生させることも可能です。エラーが発生した理由を具体的に知ることができ、適切なエラーハンドリングを行うことができます。
Python:raise文の構文ルール
Pythonのraise
文は主に3つの形式で使用されます。
パターン① 例外オブジェクトを指定して例外を発生させる
raise ValueError("Invalid value")
この形式では、raise
文の後に具体的な例外オブジェクトを指定します。例外オブジェクトは通常、Exception
クラスかそのサブクラスのインスタンスです。
上記のコードは、ValueError
という特定の種類の例外を発生させ、その際に"Invalid value"というエラーメッセージを付けています。
パターン2 例外の型を指定して例外を発生させる
raise ValueError("Invalid value")
この形式では、raise
文の後に例外の型(Exception
クラスまたはそのサブクラス)を指定します。その後、括弧()
内にエラーメッセージを記述します。
ここでも、ValueError
という例外を発生させており、その際に"Invalid value"というエラーメッセージを付けています。
パターン3 直前の例外を再度発生させる
try: # 何らかの処理... except Exception: # 何らかの処理... raise # 直前の例外を再度発生させる
この形式では、raise
文は単体で使用されます。このraise
文は、直前の例外(try
/except
ブロックで捕捉した例外)を再度発生させます。
これは通常、例外を捕捉して何かの処理を行った後で、その例外を上位のコードに再度伝播させるために使用します。
Python:raise文の使い方
それでは、raise文の意味や基本を押さえたところで、より実践的な利用方法をサンプルコード付きで解説していきます。
以下のサンプルコードは、特定のエラー条件に対してraise
文を使用することで例外を明示的に発生させ、それを捕捉してエラーメッセージを出力するかを示しています。また、直前の例外を再度raiseすることで、その例外を上位のコードに伝播させる方法も示しています。
サンプル1 例外オブジェクトを指定して例外を発生させる
class MyException(Exception): pass def do_something(data): if data is None: # MyExceptionを例外オブジェクトとしてraise raise MyException("データがNoneです。処理を続行できません。") try: do_something(None) except MyException as e: print(f"エラーが発生しました: {e}")
サンプル2 例外の型を指定して例外を発生させる
def process_file(filename): if not filename.endswith('.txt'): # ValueErrorを例外の型としてraise raise ValueError("ファイルの拡張子が.txtでなければなりません。") try: process_file("example.pdf") except ValueError as e: print(f"エラーが発生しました: {e}")
サンプル3 直前の例外を再度発生させる
def divide(x, y): try: result = x / y except ZeroDivisionError as e: print("ゼロ除算エラーを検出しました。再度エラーをraiseします。") raise # ゼロ除算エラーを再度raise else: return result try: divide(10, 0) except ZeroDivisionError: print("ゼロ除算エラーが上位のブロックでも捕捉されました。")
Python:raise文を利用する際の注意点
Pythonのraise
文を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
以下に1つわかりやすい例を挙げてみました。どこが改善点であるか?考えながらコードを確認してみてください。
サンプル 良くない例
def divide(x, y): if y == 0: raise Exception try: divide(10, 0) except: pass
分かりましたでしょうか。具体的には3点にわたって改善ポイントが存在します。
1つ目。divide
関数では、ゼロ除算エラーの可能性があるにもかかわらず、具体的な例外クラスやエラーメッセージを提供せずにException
を直接raiseしています。これでは、何が問題でどう修正すれば良いのかが明確でないため、デバッグが難しくなります。
2つ目。try-except
ブロックで、何の例外を捕捉するのかが明示されていません。これでは、予期せぬ例外まで捕捉してしまう可能性があります。
3つ目。例外が捕捉されたときに何も行われていません(pass
)。これでは、例外が発生したこと自体が無視されてしまい、エラーハンドリングが適切に行われていないと言えます。
上記のサンプルコードは以下の通りに改善する必要があります。
def divide(x, y): if y == 0: raise ZeroDivisionError("ゼロ除算エラー:yが0です。") try: divide(10, 0) except ZeroDivisionError as e: # ゼロ除算エラーを明示的に捕捉 print(f"エラーが発生しました: {e}") # エラーメッセージを出力
Python:raise文のまとめ
始めてPythonを勉強するのは結構難しいですよね。
でもその悩みを抱えているのは一人じゃありません。全てのPython使いが同じ道を進んできました。
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