TCP/IPとは?初心者向けにわかりやすく3分で解説

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TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)とは、インターネットの世界で標準的に利用されているプロトコルのセットです。

私たちは普段何気なくインターネットを利用することができていますが、その裏には多くのルールや決まり事に基づいた複雑な仕組みが存在しています。これらのルール・決まり事(=プロトコル)のセットを一つにまとめたものがTCP/IPです。

と、言われてもなかなかピンと来ない方のために前提となる最初の知識から丁寧に解説します。

「プロトコル」はコンピュータとコンピュータがネットワークを通じて通信するために決められた「約束事」「決まり事」のこと。

本記事では「プロトコル」という単語とその意味をしっかり理解していることが前提となりますので、「プロトコル」がイマイチよく分からない・・・という方は下記記事をご覧になってから本文を読み進めてみてください。

このページでは、TCP/IPとは何か?何を覚えれば良いの?TCP/IPはいつ使うの?という疑問にお答えします。

このページで学べる内容
  • TCP/IPとは?
    • ネットワークインターフェース層
    • インターネット層
    • トランスポート層
    • アプリケーション層

ネットワークエンジニアを目指す方であれば、知らないと恥ずかしい超・基本知識です。是非最後までご覧ください。

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TCP/IPとは?

TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)とは、インターネットの世界で標準的に利用されているプロトコルのセットを指す単語です。

どういうことか分からない人のためにもう少し詳しく説明します。

まず言葉の意味を説明すると、実はTCP(Transmission Control Protocol)もIP(Internet Protocol)もそれぞれ別のプロトコルを表す単語です。初心者ほど誤解しがちなのですが、決してTCP/IPという単独のプロトコルがあるわけではありません。

TCP IP 違い
プロトコル目的
TCP1対1のセッションによる信頼性の高い通信を行うためのプロトコル
IPインターネットで通信相手を特定しパケットを相手に届けるためのプロトコル

TCPは通信の信頼性を確保することを目的として策定された決まり事。IPはインターネットで相手にデータを届けるための決まり事です。TCPとIPはご覧のように実は全くの別物であるという点をまずは押さえましょう。

ただ、TCPとIPが別物であるとはいえ、ネットワーク通信の進化・発展の過程でTCPとIPは基本的にセットで開発が進められてきました。実情として、TCPはIPなしでは成り立たないし、IPもTCPなしでは成り立たない。このような背景から、TCPとIPを中心として成り立つ通信プロトコル群を「TCP/IP」と呼称するようになります。これが、最初の疑問の答えになります。

TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)とは、インターネットの世界で標準的に利用されているプロトコルのセットを指す単語です。

これで、なんとなく「TCP/IP」という単語の意味は理解できてきたのではないでしょうか。

インターネットプロトコルスイート

先ほどTCP/IPを以下のようにご説明しました。

TCPとIPを中心として成り立つ通信プロトコル群を「TCP/IP」と呼称する

「中心として」という文言がある通り、TCP/IPにはTCPとIPの2つのプロトコルだけでなく、通信を実現するために必要な他のプロトコルも含まれます。ファイル転送のためのプロトコルであるFTPや、Webページに関するプロトコルであるHTTP、その他メールの転送プロトコルであるSMTPなど、これらのプロトコルもTCP/IPに含まれるということです。

TCP/IP:階層モデル

初心者のうちは、この点を誤解しがちですので、注意して理解しておきましょう。

そして、このTCP/IPのように一連の通信プロトコルをセットにまとめたものを「プロトコルスタック(protocok stack)」もしくは「プロトコルスイート(protocol suite)」と呼びます。その中でも特にTCP/IPは現在のインターネットを構成するプロトコルスイートという位置づけであるため、「インターネットプロトコルスイート(Internet protocol suite)」とも呼ばれる場合があります。

実際は単に「TCP/IP」と呼ぶ場合がほとんどですが、正式な文章などでインターネットプロトコルスイートという単語が出てくる場合もあるのでこの点を頭に入れておきましょう。

TCP/IP:階層モデル

TCP/IPは4階層のモデルで表されます。これはOSI参照モデルと同様、ネットワーク通信の役割を階層的に分類し、各層での機能の目的を分かりやすく明示したものです。

TCP/IP:階層モデル

それぞれの層がどのような役割を持ち、具体的にどのようなプロトコルがあるのかを1つ1つ解説します。

OSI参照モデルとは?

世界中に張り巡らされたネットワーク(インターネット)の中で、1つのコンピュータと1つのコンピュータが適切な通信を実現するためには、想像以上に複雑な仕組み・ルールが必要になります。アプリケーション間でのデータ転送方法、宛先コンピュータの特定方法、画像や動画ファイルのデータ形式の変換方法など例に挙げるときりがありません。

この複雑なネットワークの仕組みを7階層に分解し、各階層の機能・役割を分かりやすくモデル化したものがOSI参照モデル。難解なインターネットの仕組みも、このOSI参照モデルに当てはめて考えることで、どのようにコンピュータ同士が通信をしているのか?を初心者でも理解することができるようになります。

TCP/IPの前にOSI参照モデルってなんだっけ・・・と不安になる方は是非以下の記事でOSI参照モデルについての基礎理解を深めていただくことをおすすめします。OSI参照モデルを理解する前と後では、TCP/IPへの理解度もグッと変わってきます

ネットワークインターフェース層(リンク層 / データリンク層)

はじめに、第1層のネットワークインターフェース層について。ネットワークインターフェース層は、リンク層・データリンク層と呼ぶこともあります。

TCP/IP ネットワークインターフェース データリンク

ネットワークインターフェース層はOSI参照モデルの物理層/データリンク層に相当します。したがって、この層のプロトコル(規格)が実現・定義するのは以下の2点。

ネットワークインターフェース層の役割
  • 通信を行う際の「電気信号に関するもろもろの機能・役割」:物理層に相当
  • 直接接続された機器同士の通信に関するもろもろの機能・役割:データリンク層に相当

ザックリ言うと同一のネットワーク内におけるデータ転送の一手に引き受けるのが、ネットワークインターフェース層であると理解してOKです。

TCP/IPとネットワークインターフェース層

TCP/IPでは、OSI参照モデルの第1層:物理層と第2層:データリンク層に相当する部分を明確に定義していません。これらが透過的に(その存在を意識せずに)機能していることを前提としています。

つまり厳密には、この層のプロトコルはTCP/IP(インターネットプロトコルスイート)ではないということ。

ただし、この層の理解なしではネットワークの理解を深めることはできないので重要な内容であることには違いありません。どのようなプロトコルが存在するかをしっかり頭に入れておきましょう。

代表的なプロトコル:ネットワークインターフェース層

プロトコル(規格)用途 / 役割
Ethernet有線接続(有線LAN)に関する規格
PPP(Point-to-Point Protocol)2点間でデータ通信を行うためのプロトコル
ARP(Address Resolution Protocol)IPアドレスからMACアドレスを導出するためのプロトコル
OSPF(Open Shortest Path First)ルーティング処理(データ配送)の最短経路を見つけるためのプロトコル

ネットワークインターフェース層のプロトコルは、物理的な電気信号やハードウェアなどといったネットワーク機器と密接に関連します。

インターネット層

インターネット層は、OSI参照モデルの第3層:ネットワーク層に相当します。したがって、この層が実現する機能は以下の通り。

インターネット層の役割
  • ネットワークとネットワークを相互に通信させる機能・役割
    データを最終的な目的地まで送り届ける役割)

このネットワーク層の機能のおかげで、同一ネットワークを超えて、世界の裏側にあるコンピュータと通信が行えるようになります。

代表的なプロトコル:インターネット層

プロトコル用途 / 役割
IP(Internet Protocol)パケット(データ)を送る相手のコンピュータを特定するためのプロトコル
ICMP(Internet Control Message Protocol)ネットワーク間の通信状態を確認するためのプロトコル
ARP(Address Resolution Protocol)※IPアドレスからMACアドレスを導出するためのプロトコル

ARPは、ネットワークインターフェース層のプロトコルとしても取り上げたように、1層と2層の中間に位置づけられるプロトコルです。

MACアドレスの仕組みは1層のネットワークインターフェース層、IPアドレスの仕組みは2層のインターネット層で定義されているので、それらの橋渡し的な動きをするのがARPです。

トランスポート層

トランスポート層は、OSI参照モデルでは第4層に相当します。したがって、この層が実現するのは以下の機能。

トランスポート層の役割
  • ノード間のデータ通信の信頼性を担保する役割

この層には、TCP/IPの主要プロトコルであるTCPが存在します。

代表的なプロトコル:トランスポート層

プロトコル用途 / 役割
TCP(Transmission Control Protocol)ノード間の正しく正確なデータ通信を担保するためのプロトコル
UDP(User Datagram Protocol)信頼性は度外視するが速度重視のデータ通信を実現するためのプロトコル

アプリケーション層

アプリケーション層は、OSI参照モデルの第5層~第7層までを丸っとカバーします。したがって、アプリケーション層では以下の機能を実現します。

アプリケーション層の役割
  • データ通信の一連の流れ・手順を管理する役割
    →OSI参照モデルのセッション層に相当
  • データの表現形式の差異を吸収するためのもろもろの役割
    →OSI参照モデルのプレゼンテーション層に相当
  • 各アプリケーションの通信に関わる部分のもろもろの役割を担う
    →OSI参照モデルのアプリケーション層に相当

代表的なプロトコル:アプリケーション層

プロトコル用途 / 役割
HTTP(Hypertext Transfer Protocol)Webサーバ / Webブラウザ間のデータ通信を行うためのプロトコル
SMTP(Simple Main Transfer Protocol)メール送信を行うためのプロトコル
POP(Post Office Protocol)メール受信(メールサーバからメールを取得)するためのプロトコル
FTP(File Transfer Protocol)クライアントとサーバ間でファイル転送を行うためのプロトコル
SSH(Secure Shell)安全に外部のサーバに接続し遠隔操作を行うためのプロトコル
このページのまとめ
  • TCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)
    インターネットの世界で標準的に利用されているプロトコルのセット
  • TCP/IPは現在のインターネットを構成するプロトコルスイートであるためインターネットプロトコルスイート(Internet protocol suite)とも呼ばれる
  • TCP/IPは4階層のモデルで表される

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