ネットワークトポロジーとは、コンピューターネットワーク内のデバイス(ノード)がどのように相互接続されているかの形状や構造を指します。
参考 ネットワークとは?
簡単に言うと、ネットワーク内の各機器がどのように繋がっているかの「形」や「設計図」のことです。
このトポロジーは、ネットワークの性能、信頼性、拡張性に大きく影響します。例えば、1つのノードが故障した場合、その影響がネットワーク全体に及ぶかどうかは、トポロジーによって大きく変わります。データの転送速度やセキュリティも、このトポロジーに依存しています。
このページではネットワークを学習する上で避けては通れないネットワークトポロジーの基本を1からわかりやすく解説します。
ネットワークエンジニアを目指す方であれば知らないと恥ずかしい超・基本知識の1つです。是非最後までご覧ください。
ネットワークトポロジーとは
ネットワークトポロジーとは、コンピューターやスマホ、プリンターなど、ネットワークにつながっている機器(ノードと呼びます)がどうつながっているのかの配置図みたいなものです。
ネットワークの「地図」「全体図」「設計図」にあたります。
ネットワークトポロジーを理解することで、より効率的なネットワーク設計が可能となり、トラブルシューティングも容易になります。特に、ネットワーク上のバグやダウンタイムを最小限に抑えるためには、適切なトポロジーの選定が不可欠です。
この章では、ネットワークトポロジーの基本的な形状から、そのメリット・デメリット、そしてどのような状況でどのトポロジーが最適なのかについて詳しく解説します。
主要なネットワークトポロジーの種類
ネットワークトポロジーにはいくつか主要な種類があります。それぞれのトポロジーは、特有の利点と欠点を持っているため、用途や状況に応じて最適なものを選ぶ必要があります。
現場現場で、様々な構成のネットワークが構築されていますが、基本的にはここで紹介するいずれかのトポロジーに分類されます。
Star型(スター型)
スター型トポロジーでは、中央にハブまたはスイッチが配置され、各ノードがこの中央デバイスに直接接続されます。
ポイント スター型トポロジーのメリット
- 設定が簡単
- 各ノードが中央のハブやスイッチに直接接続されているため、設定や管理が簡単。
- 障害局限
- 1つのケーブルやノードが故障しても、その影響は該当するノードだけに限られ、ネットワーク全体には影響を及ぼさない。
- 拡張性
- 新しいノードを追加する際も、中央のハブやスイッチに接続するだけで済むため、拡張性が高い。
- 高いデータ転送率
- データの衝突が少ないため、一般的に高いデータ転送率を実現できます。
ただし、スター型トポロジーは中央のハブやスイッチが故障すると、ネットワーク全体がダウンしてしまうという欠点もあります。
なお、現代のネットワーク環境では上記のメリットを踏まえてスター型トポロジーが最も一般的に利用されています。
Ring型(リング型)
リング型トポロジーは、ノード(PC、プリンター、スイッチなど)が1つの閉じた環状のループを形成するように接続されます。データはこのリングを一方向または双方向に循環して通信が行われます。
ポイント リング型トポロジーのメリット
- 単純な設計
- ノードが直列に接続されているだけなので、設計が単純。
- 確実なデータ転送
- データが確実に各ノードに到達することが保証される。
- コスト
- ケーブルの必要量が比較的少ないため、初期コストが低い場合があります。
ポイント リング型トポロジーのデメリット
- 障害の影響
- 1つのノードやケーブルが故障すると、リング全体がダウンしてしまう。
- 拡張性の低さ
- ノードを追加や削除する際には、リングを一時的に解体する必要がある。
→その際、全ノードが一時的に利用不可となる。
- ノードを追加や削除する際には、リングを一時的に解体する必要がある。
- データ衝突
- データがリング内を循環するため、データの衝突が起きやすいです。
リング型トポロジーはこれらの特性から、特定の要件を満たす場合には依然として有用ですが、現代ではあまり一般的ではありません。
Bus型(バス型)
バス型トポロジーでは、全てのノード(コンピュータ、プリンターなど)が1本のケーブルに接続されます。このケーブルの両端は終端抵抗で閉じられています。データの通信はこの1本のケーブルを介して行われます。
ポイント バス型トポロジーのメリット
- 簡単な設計
- 単一のケーブルを使用するため、設計がシンプル。
- 低コスト
- ケーブルやハードウェアの必要量が少ないため、初期投資が低く抑えられる。
- 易しさ
- 新しいデバイスを追加するのも容易です。
ただし、ケーブルに障害が発生すると、全体のネットワークに影響が出ることや、すべてのデバイスが同じケーブルを共有しているため、データ衝突が起こりやすいという欠点もあります。
そのため、現代のネットワーク環境ではあまり一般的ではないトポロジーです。
Mesh型(メッシュ型)
メッシュ型トポロジーは、各ノード(PC、サーバー、スイッチなど)が直接、あるいは間接的に他のすべてのノードと接続されています。これにより、多くのパスが形成され、データは多くのルートで送受信されることが可能です。
ポイント メッシュ型トポロジーのメリット
- 冗長性
- もし1つの接続が失われた場合も、他のパスが存在するためネットワークは継続して動作する。
→1つの回線が途切れても別の回線を利用して通信できる。
- もし1つの接続が失われた場合も、他のパスが存在するためネットワークは継続して動作する。
- 効率的なデータ転送
- データは最も効率的なパスを通って転送されるため、高速な通信が可能です。
ただし、多くのケーブルとスイッチが必要なため、初期設置費用と維持費が高くなります。また、ノードが増えると、それに比例して接続も複雑化します。
メッシュ型トポロジーはコストが高い反面、高い冗長性と信頼性を提供可能なので、業務クリティカルな用途や大規模なネットワークでよく採用されます。
Hybrid型(ハイブリッド型)
ハイブリッド型トポロジーは、二つ以上の異なるタイプのネットワークトポロジー(例: スター型、バス型、リング型など)を組み合わせた形状です。これにより、各トポロジーの利点を最大限に活用し、欠点を補完することが可能です。
ポイント ハイブリッド型トポロジーのメリット
- 柔軟性
- 異なるトポロジーの長所を組み合わせるため、非常に柔軟なネットワーク設計が可能。
- 拡張性
- 新しいトポロジーを簡単に組み込むことができるので、ネットワークの拡張が容易。
- 高い信頼性
- 1つの部分が故障しても、その影響が局所的に留まる可能性が高い。
ただし、複数のトポロジーを組み合わせるため、コストがかさむ可能性があります。また、異なるトポロジーが混在することで、ネットワークの管理が難しくなるという欠点もあります。
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