ネットワークとは、コンピューターやデバイスが相互に接続され、情報やリソースを共有できるシステムのことを指します。
家の中でWi-FiやBluetoothを利用してスマホや家電を接続するのもネットワークの一種。また、会社内でコンピュータ同士を接続するLANもネットワーク。さらに言えば、インターネットそのものも世界規模で発達したネットワークと言えます。
このページでは、ネットワークが必要となった背景や歴史を踏まえて、ネットワークとは何か?をIT初心者向けにわかりやすく解説。
これからネットワークの基礎を勉強する方にとって押さえておきたい基本知識を網羅的に提供します!
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ネットワークとは?
「ネットワーク」とは、コンピュータ、スマートフォン、サーバーなどのデバイス同士を接続して、データやリソースを共有・交換するためのシステムのことです。
ある意味では機器と機器が接続され相互に通信しているものは基本的には「ネットワーク」を構成していると言えます。家のプリンターとPCが通信している場合、これはまさに小さな「ネットワーク」を構成している1つの例になります。もちろんPCとプリンターだけではなく、スマート家電とPC、ルーターとスマートフォンなど様々な機器が相互に通信を行っていればそれは「ネットワーク」と呼ばれます。
今あなたはこのページを閲覧し記事を読んでいますが、これはあなたのパソコンやスマートフォンとビズドットオンラインのWebサーバが相互に通信をしている結果。したがって、あなたのPCとWebサーバが1つの大きなネットワークの一部を構成していると言えます。
参考 Webサーバとは?
このように、現代では世界中のありとあらゆるデバイス・機器が相互に接続されており、今ではその巨大なネットワークが「インターネット」と名付けられ世界共通のルールで運営されています。この世界共通のルールを学ぶことであなたは自由な通信を行ったり、インターネット上でサービスを公開することができるようになります。
このページでは、なんとなくぼんやりしている「ネットワーク」「インターネット」の誕生の歴史と発展の経緯をさぐりながら、「ネットワーク」という言葉の解像度をあげていきたいと思います。
ネットワークの歴史的経緯を知ることで、その必要性や重要性をより深く理解することができます。
歴史1:ネットワークが成立した背景
まずは「ネットワーク」が誕生する前の時代から遡ります。
コンピュータが登場した初期には、1台のコンピュータが1つの機械として独立(=スタンドアロン)して機能していました。
コンピュータ(和訳:計算機)となっているように、コンピュータはそもそも高性能な計算機のような扱いで、それ1台で何かを実行するために用いられる(=他の機器と通信をすることはない)のが当時は一般的でした。
コンピュータが発明され徐々に多くの場面で利用されるようになるにつれ、データやリソースの共有が求められるようになります。例えば、コンピュータAのデータを利用して、コンピュータBが計算を行ったり、その結果をまた別のストレージに保存したり・・・など。
当時はコンピュータが互いに通信するようにはできていなかったので、例えばデータの共有が必要になった場合にはフロッピーディスクなどを利用して人が人力で運んだりすることが一般的。これを専門用語でスニーカーネットワークと呼んだりします(=人が歩いてデータを共有することで1つのネットワークを構成していることを表した言葉)が、コンピュータの登場から間もなくネットワークの構築の必要性が高まりました。
複数のコンピュータを相互に接続し、効率的なデータやリソースの共有を可能にするネットワークを構築することで、例えば北海道と沖縄に支店を持つ会社でも効率的な運営が可能になります。
そのような便利さと効率性を求めて生まれ発展してきたのが今のインターネットです。
歴史2:ARPANET
ネットワークの歴史の始まりは、1960年代のARPANET(Advanced Research Projects Agency Network)です。これは、アメリカ国防総省の研究プロジェクトとして開発された最初のネットワークで、複数のコンピュータを接続し、遠隔地での情報共有やコンピュータリソースの利用を目的としていました。
ARPANETは、主に研究者や学者のコミュニケーションのために開発されました。
このネットワークを構築することで、異なる地域にいる研究者たちがデータや情報を共有することができるようになりました。ARPANETは今のインターネットの全身とも呼べるネットワークで、今のパケット交換方式と呼ばれる通信方式が確立されたのもこのタイミングです。
参考 パケット交換方式とは
年代 | イベント・発展 |
---|---|
1957年 | Sputnikによる米ソの宇宙開発競争が開始 |
1962年 | J.C.R. Lickliderがインターギャラクティックネットワークの概念を提唱 |
1966年 | Lawrence G. RobertsがARPANET計画のリーダーになる |
1968年 | ARPANETの最初の計画がBBN社によって開始される |
1969年 | 最初のARPANETノード(UCLA、SRI、UCSB、ユタ大学)が設立 |
1971年 | レイ・トムリンソンが電子メールを開発 |
1972年 | ARPANETで初めてのパブリックデモが行われる |
1973年 | ARPANETがヨーロッパ(ノルウェー、イギリス)へ拡大 |
1974年 | TCP/IPプロトコルがVint CerfとBob Kahnによって開発される |
1980年代 | ARPANETからTCP/IPプロトコルへの移行が開始される |
1983年 | ARPANETがTCP/IPプロトコルに完全移行する |
1985年 | NSFNET(National Science Foundation Network)が設立される |
1989年 | ティム・バーナーズ=リーがWorld Wide Webを発案する |
1990年 | ARPANETが公式に解散される |
1990年代 | インターネットが急速に普及し、現代のインターネットが形成される |
歴史3:インターネット
ARPANETが成功し、その技術が発展することで、世界中のコンピュータネットワークが相互に接続されるインターネットが誕生しました。
インターネットといっても、結局は1つ1つのデバイスが相互に接続され、それが世界中に張り巡らされているだけのもの。この原型がARPANETであり、現代でも世界中にその範囲が拡大し続けています。
インターネットは、情報やリソースを世界中で共有できるようになり、コミュニケーション、ビジネス、学術研究など、あらゆる分野に革新をもたらしました。同時にローカルなコミュニティ(会社や個人など)でもインターネットの技術を利用したLANやWANなどの構築するなど、一気にネットワークの利用が進みました。
参考 LANとWAN
歴史4:プロトコル
世界規模でコンピュータやデバイスを通信させるためには、デバイス同士が相互に決まったルールに沿って通信を行う必要があります。ルールが存在しなければ、以下の図の通り適切なコミュニケーションを行うことができません。
このため、ネットワーク通信を成立するための決まり事を世界全体で通信プロトコルとして定義。通信する相手のコンピュータの特定方法だったり、データを送り届ける方法だったり。また、電気信号で通信を行う方法や、コンピュータの画面に文字を表示させる方法など。
ネットワークエンジニアの勉強と言ったらこの通信プロトコルの学習です。1つ1つのルールを理解することで、日々発生するバグの対応や新たなネットワーク構築を行うことが可能になるのです。
ここからは、ネットワークを学習していくうえで基本となる知識についてご説明します。
ネットワークの主な構成要素
ネットワークを知るにはどのようなことを学べば良いのか?をざっくり一覧化でお見せします。
ネットワークエンジニアを目指す方はまずは「こんな感じのことを知っていけば良いのね!」となれればOKです。
- プロトコル
TCP/IP・HTTP・FTP・DHCP・DNSなどデータ通信に関連するプロトコルを理解する。 - ネットワークトポロジー
スター、バス、リング、メッシュ、ツリーなど、ネットワークの物理的・論理的構造を学ぶ。 - ネットワークデバイス
リピータ、スイッチ、ルーター、ファイアウォール、アクセスポイントなど、ネットワーク機器の機能と設定方法を習得する。 - IPアドレスとサブネットマスク
IPv4およびIPv6アドレス、サブネットマスク、CIDR表記法、サブネット分割の方法を理解する。 - ドメインネームシステム (DNS)
DNSの仕組み、Aレコード、CNAMEレコード、MXレコードなどの基本的なレコードタイプを学ぶ。 - ルーティングプロトコル
OSPF・RIP・BGPなどのルーティングプロトコルの基本原理と設定方法を習得する。 - ネットワークセキュリティ
ファイアウォール、VPN、暗号化、認証、IDS/IPSなど、ネットワークの安全性を確保するための技術とポリシーを学ぶ。 - 無線ネットワーク
Wi-Fiの規格、無線周波数、チャネル、アクセスポイント、SSID、暗号化方式(WPA2/WPA3)などを理解する。 - トラブルシューティング
ping、traceroute、nslookup、Wiresharkなど、ネットワークの問題を診断・解決するためのツールと手法を習得する。 - ネットワーク設計と管理
ネットワークアーキテクチャ、帯域幅管理、QoS、トラフィックシェーピング、フォールトトレランス、ネットワーク監視など、効率的で信頼性の高いネットワークシステムを構築・維持する方法を学ぶ。
【まとめ】ネットワークとは?
ネットワーク学習の決定版(ネットワークエンジニアを目指すなら必見!)
↑ページ数が多く誰でも手軽に読める内容ではありませんが、ネットワークエンジニアであれば、ほぼ全員が一度は読んだことがある超・有料書籍。是非一度読破しておきたい1冊のご紹介です。
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